<Fig.56>

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Fig.0, Fig.01, Fig.15, Fig.30, Fig.45, Fig.60,

Fig.75, Fig.90, Fig.105, Fig.120, Fig.135, 

Fig.150,  Fig.165, Fig.180, 

Fig.195, Fig.200(End)

<補足:上図について>

上の画像/Fig.56の魚は「ニジマス」をイメージしました。サケ科魚類は「サケ属、マス属、イワナ属、イトウ属」の区分で扱われますが、ニジマス(レインボー トラウト/Rainbow Trout)はサケ属の魚です。ニジマスは、その昔はマス属でしたが、数十年前にサケ属に変更されています。

陸封型も少なからずいますが、降海型(大人になると海から川を登り、上流/清流の川底で産卵し、その孵化稚魚は大きくなるため海へ降る)を性質とするサケ科魚類のサカナは、その経緯から、大昔から人に馴染み深く、親しみのあるサカナ、その上、美味しいことを特徴としています。そのニジマスも世界的にはとっても美しいサカナとして認知されています(日本ではどうなのでしょうね)。

ちなみに、高級なお刺身として食されるアトランティックサーモン(大西洋サケ)はマス属に分類されています(つまりマスです)。加えて、最近では、なんでもありのようなトラウトサーモンという新たな呼称も普通になっています。

前記のマスノスケ「介殿」のことも踏まえると、ことほど左様にサケ属の名前には少し混乱させられます(ヤマメ/ヤマべとサクラマスは同種ですが、やはりサケ属です:大きさや姿・生態が変わると呼び名が変わるって普通のことのようです)。

つまり、大昔から世界各地で人に多大な貢献を尽くしたサケ科魚類に色々な呼称があるという事実はサケ科魚類にとっては名誉なこと、その経緯なども考えて欲しいと思っています。

ともかく、赤みが強く甘みのあるお刺身は高級食材ですが、補足/蛇足すると、サケ属の魚は全て「白身の魚」ですが、餌としてアスタキサンチンを多量に含む甲殻類などを捕食する個体の肉は白身から赤みになるという次第です。現在、養殖魚流通は普通ですが、養魚飼料にはその色素が多量に含まれているということになります。

なお、食用とするサケ科魚類の広告写真(特にニジマス)には、吻端やヒレなどが損傷/欠損したかわいそうな個体の画像が普通に用いられています。やっぱりコスパ優先の世の中なのでしょうか。ともかく「あの姿がサケ科魚類なんだね」と思われるとサケ科魚類に申し訳ないと思ってしまいます/少し悲しい気がしています。それで上図の板張り作品を作った次第です。

なお、ニジマスは100年以上前に合衆国からその発眼卵が移入された外来のサカナですが、その昔は外貨獲得産物としてこの国に貢献した重要な魚類です。しかし、一時期、闇雲に「外来魚」というレッテルがニジマスにも付いていたことがあり唖然としましたが、最近は下火かな。ともかく、ニジマスはこの国に多大な貢献を尽くしたグリーカード取得済み?のとっても綺麗なお魚です。そんなイメージで扱って欲しいと思っています(無残な姿に違和感を持たない意識はどこから生じるのでしょうか:とっても重要な課題と思います・専門家はどんな風に思っているのでしょうか?)。

重複しますが、その姿・形はシューベルトの「鱒」のように美しいものです。ただし、歌曲のマスはどうもブルック トラウトらしく、そのブルック トラウトとはイワナ属のお魚ということで、いろいろな名称・呼称・あだ名などが豊富なサケ科魚類は、世界的にとっても親しみある重要なサカナということです(釣って・食して・愛でて良しの三拍子付きということなので大切です)。

なお、親が授けてくれたお弁当をお腹に抱え、澄み切った大きな目玉で一生懸命に生きた育った結果が、その信じがたい姿で流通することには違和感を感じてしまいます。重複しますが、食用写真であっても姿形がまともにマスらしくなることを強く願っています。

「森は海の恋人」という素敵なキャチフレーズを耳にしますが、サケは森の豊かさにもたくさん貢献しているということらしいです。北海道の試験研究者もそのことをかなり昔から報告しています。今後、多面的な生態研究に基づく豊かな水生物環境が再現されることを深く期待しています。

重複しますが、実演生物学でも「水生物環境保全について」という観点でメッセージを掲載しています。興味のある方はご参照いただければ幸いです。

生物学習的には魚類解剖実験の材料としてニジマスが用いられています。上記のような多面的な経緯や背景もその理由と考えます(探求学習のテーマですよ)が、新鮮で手頃なサイズの個体の入手が容易なこともその理由です。なお、ニジマス解剖実験法については別サイトにまとめたので、必要に応じて参照してください(ココをタップで移動します)。なお、ニジマス発眼卵の入手は容易です。学校や自宅でも涼しい季節なら孵化飼育も可能です。試して欲しいと思っています。

追記:天然のサケマス稚魚の初期餌料は甲殻類などのプランクトンなどです。最近の水環境はそれら甲殻類が生き難い状態かもしれません。どうすれば良いのでしょうかね。それで本編では「ミジンコ探求」というサイトも掲載しました。身近なミジンコ?のことも考えて欲しいと思っています。

長々書いてしまいましたが、以上でこのシートは終わりです。ともかくニジマスも大切にして欲しいと思っています。読んでくれたら「ありがとう!」。

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