<はじめのメッセージ>
「生物学をしっかり学んでみたい・アドバイスして下さい」と言われても即断即答は難しい。総論的に言えば「一般生物学の教科書に沿って進めましょう」になってしまうが、学習者の立場としては学校生物学習のような形式は遠慮したい、知識確認ドリル学習なら受験参考書やオンライン学習でも可能ということ。それなら世界標準の教科書、例えば「細胞の分子生物学」などを勧めてみたいが、行く末はその「厚さ・緻密さ」に圧倒されてしまう。では、さてどうしようと悩んでしまう。
つまり、生物学は一筋縄には進まないという一般論を思い出すが、ともかく、科学「生物学」なら誰もが共有可能な「原理法則性の学び」に裏打ちされているはず。教科学習であるなら「命題・原理・実証」に基づく学びの基本から構成されているはずと言いたい。
従って、暗記物という生物学のイメージは何故生じるのか?という疑問は無視できないが、枝縄があっても一筋縄として扱えるから教科学習である。つまり、実体と概念の連立連携を念頭とした「知識と知識を繋ぐ知識の学び」が実践学習の場の基本であると思っている。
これでは意味不明なので改めて説明すれば、生物学/生物学習の基軸は「階層性/階層構造性」であり、その見方・考え方・進め方、つまり、命題・原理・実証の必要性ということではないだろうか。重ねて言えば、1)階層性に基づき、2)典型的なテーマを定め、3)その構造レベルに関わる原理法則性を導入し、4)具体的にその構造の仕組みを理解する/納得する/腑に落ちる、に繋がる学びが生物学習であろうと思っている。つまり、生物学「総論/各論」の総論/基本の学びである。なお、構造とは「要素の配置とその繋がり」と私は定義している。
従って、冒頭の「質問」への返答/回答としては、生物学習の基本的な枠組みを上記の観点から確認してください、ということになるが、それでは「意味不明・何がなんだか分からない・プンプン!」と言われそうなので、本編ではその具体的な対応策/自習方法を示したい。
つまり、階層性という必見の回廊を巡りながら9つの扉を開き、その室内の構造や様相に親しむという方法である。双六やカードゲームのようなもの。「そのルールは?・何をゲットするの?」というゲーム理論?にはその知識がないので答えられないが、ともかく本編がそれである。試してほしい。その標題は、階層性「謎かけ」生物学:3段論法ゲーム版 である。
〔方法〕は至って簡単。上の挿入図/見取り図がプロトコール(PCL:ココをクリックで移動)なので、任意の番号部位をクリックし、移動先のスライド/シートに沿って試してみるという単純な方法である。きっと、生物学習の枠組みが見えてくるはず、を期待している。〔利用対象者〕としては生物教師も含め誰でも可能な内容と思っている。〔利用目的〕は、教科書生物学ではないので「スマフォで気軽に自主学習」であるが、教科学習など日常的な学習の折々に生じる戸惑いへの対応法なので「授業の合間に自主学習/自習」であろう。 少し小難しく言えば、PCL.6に示す「上の句/下の句:命題/原理の並列タイトル」に基づく階層構造レベルの意味意義の学習/習得である。それらは正解を求めるものではない。今後に続く「原理法則性に基づく考える学び」の指標/道標である。
なお、これまではWebサイト「実演生物学・考える生物学」などでその概要を示してきたが、その最大の欠点「建築現場の様相」は未だに変わらない。それでも、本編「ゲーム版」に基づき「自主学習」の拠り所として展開/利用すれば(関連サイト一覧を参照:ココ)、それなりの「気づきや頷き」に加えて「対峙性学習から共存共学の学び」が生じると思っている。
本編はそれを期待した試みである。 具体的には、階層性「謎掛け」3段論法に基づく「命題・原理・実証」による共存共学であるが、それ以上に、学習もゲームやスポーツと同じように、基本となる「プロトコール/プロトコル:間違いが生じないその場の優先すべき枠組み/約束事」に基づき成り立っていると思っている。つまり、本編は「生物学習プロトコール論」の試作/試みである(必要に応じてココを参照)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【補足】 本編はゲームのつもりですが利用者レベルの設定はしていません。従って、掲載したスライド/シートの説明や指示の受け止め方に差異が生じます。時には、生物教師/初学者の別なく、ゲーム版の意味意義そのものに違和感を感じるかもしれません。つまり、知識レベルとは無関係な取り組みのためです。自然な物事の見方・考え方・進め方に親しんでいるか否かかも。もちろん、戸惑いの主たる理由は教科書的ではないため、また、私の力量や表現力のためと思っています。
それで本編では、その対策として、今後、アドバイザーによる補足説明を状況に応じて書き加えるつもりです。各地の有能な生物教育担当者や利用者から寄せられる質問やコメントを、シート下に設定した「補足欄」に掲載する予定です。知識レベルを想定し、多面的な生物学習の見方/考え方(観察的な視点と分析的な視点など)から、平易な日本語で補足したいと思っています(今現在は準備中です)。従って、本編「ゲーム版」を使用し「意味不明・もう少し説明があると良いのにな!」と感じる時は「補足欄」を参照して下さい。なお、全てのスライド/シートに補足があるとは限りません。 繰り返しですが、今現在は準備中です。
<先頭行へ>・<目次/PCL>・<はじめに>・<命題一覧へ>・<関連サイト一覧>
〔本編に関わるキーワード・キーセンテンス〕
下記は、本編に基づく生物教育/ 生物学習に不可欠な用語とセンテンスです。普段あまり意識しない用語/国語、例えば「構造」などにその意味意義/定義を与えています。その一部は、個体や学習マトリックス(BioMTX)のように、その必要性から新たに定義した用語/造語/知識用語も含まれています。つまり「HASOBE式の生物用語」として理解してください。キーセンテンスも同じ観点から箇条書きとしました。その用法/解説は本編を通じて参照して下さい。
〔キーワード〕
1)構造:要素の配置と繋がり、2)現実実体の枠組み、3)学習マトリック/BioMTX、4)階層構造性、5)介在性構造レベル、6)個体、7)動物生理の基本、8)2系6要素+α:器官系配置図、9)細胞生理の基本、10)細胞小器官系、11)階層性3x3配置図、12)考察の自己相似性、13)細胞構造俯瞰図、14)細胞の基本的性質、15)細胞培養実験学習、16)魚類マクロ組織観察/バーチャル顕微鏡観察、17)骨パズル 、
18)謎かけ生物学(上の句/下の句/謎掛け3段論法)、19)対峙性学習/共存共学、、20)対話/共話、21)命題・原理・実証、22)学習プロトコール
〔キーセンテンス〕
下記は本編の枠組みを示すキーセンテンスです。詳細は本編やその別様「理論編」を通じて参照としています。
- 実体あるものには「構造」がある。構造とは「要素の配置とその繋がり」。
- 要素は「階層構造レベル」に従い、要素間の繋がりは「役割の起点」となる。
- 体構造は「階層性9区分」に従っている。
- 階層性は介在性構造レベルを介して実体構造レベルに繋がる(部品/組合せ品の繰り返し構造を示す) 。
- それら構造レベルは「観察的な視点を分析的な視点」への変換により理解される。
- 生物学の「考察の視点」は、形(形態)・役割(機能)・仕組み(原理/構造)・由来(起源)を基本とする。
- 役割の視点は「動物生理の基本:2系6要素」で補完される。
- 従って、生物学習の視座視点は「階層性・考察の視点、役割の補完」の3軸構成の学習マトリックスで成り立っている。
- その学理領域は「解剖組織学・生理生化学・発生遺伝学」であるが「細胞生物学」による補完も必要である。
- なお、生物学習の起点は「個体」という国語を「知識用語」に変換する試みにある。
- つまり、「描き・見て・考える:話し合う」は観察/分析的な構造理解への近道である。
- つまり、不思議だね・なるほどね・考えるって楽しいね(命題・原理・実証)は学習に不可欠な視座視点である。
- 従って「命題/原理の並列タイトル」は共存共学への道筋を示すはず。
- つまり、上の句/下の句/謎かけ3段論法。知識と知識を繋ぐ「知識用語」の学び。
- 生物学とは物言わぬ地球生物進化の成果物の代わりその成り立ちを分かりやすく説明すること(通訳・翻訳・代弁すること)。
- 謎かけ3段論法:生物学習と掛けて、知識と知識を繋ぐ知識の学び(学習の基本)と解く/問う、その心は「構造」に基づく要素の配置とその繋がりの探求と表現だから!
- つまり「生物学習プロトコール」も必要だ!
KW/KSは終わり