学習プラットフォーム 新編Topシート
組織観察の前提 体の基本10項目    マクロ組織の話し合い
 
細胞実験解説集へ 細胞実験の原理解説  階層性:視座視点一覧
  組織学自主トレへ 生物学習のポイント/学習者の意見へ 

* 講義へ戻る: 講義1へ、 講義2へ、 講義3*
    ( 上記の講義1,2,3は改修中です) 
生物学習マトリックス(BioMTX)
<課題考察式学習法・学習内容構成論
> 
階層性/階層構造性ロジカルシンキング
考察の視点の自己相似性について

0. 目 次、1. パネル「学習マトリクス」、

2. 導入課題/共有命題一覧 3. 図一覧で表示

連携サイトは階層性 視座視点一覧/別シート

注意:このBioMTXはリンク先の階層性「視座視点一覧」の項目また「描き見て考える:イラスト学習」との連携で成り立っています。シート移動後、ここに戻る時は「BioMTX」の文字列で!。

PCの時はブラウザ機能で縮小対応してください。

お願い:このWeb実演生物学を用い「授業講義や研修会」などを行う場合は、事前にその趣旨などの通知が必要です(付帯条件です)。
 連絡先メールアドレスは、
  jsk -hasobe@jsk.biology.sakura.ne.jp

目次/構成:概説編・実践編 >

T. 概説編羽曽部式 学習内容構成論
 :個体生物学の学習マトリックス(BioMTX)

0. はじめに:本編の概要
 (補足1/科学とは補足2/生物学とは
1. 考察の視点、2. 階層性、3.学習マトリックス
 4.学習マトリックス/BioMTXの補完
  5.まとめ(とその補足)、 6.要約

U. パネル学習マトリクス/BioMTXの利用法

1)パネルの解説と使用法

2)資料.階層性/視座視点一覧

V. 実践編
 :動物体の階層構造
とロジカルシンキング
  (・・実験/演習/講義

表題: 細胞培養実験に基づく
 「動物体の成り立ち」とロジカルシンキング

1. はじめに

2. 実施課題の概要ワークシート学習項目

3. 諸注意

4. 補足資料
:〔A.細胞実験〕  〔B.体内構造の基本
 〔C.組織観察〕  〔D.まとめ
 〔E-1.細胞構造の基本
 〔E-2.細胞生理の基本

演習/ワークシート学習

演習1. お絵描き実験のロジック、 

演習2.管状構造に基づく動物体の描き方、

演習3. 2系6要素-11器官系とその順列配置

演習4. 動物生理の基本、

演習5. 魚類組織のバーチャル顕微鏡観察、

演習6. 細胞生理機能の考え方

W. 補足資料

:本編に関わるPDF資料
(ワークシート、発表論文など)。

この下パネル「学習マトリックス」のボタンや
リンク解説はパネル下欄(使用例はココ

注意X軸の数字ボタンで別シートの「階層性:視座視点一覧」へ移動。戻る時は文字列「BioMTX」)

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<個体生物学・学習マトリックス: BioMTX>
今日の課題(要素/用語): __________
ボタン「X・Y・Z・W」でこのシート内の解説へ
考察
の基本

視点
9項目

体構造の基本:階層性

学理
領域


区分


下数字ボタンで別シート/階層性へ、
戻る時は「BioMTX」で!

器官




器官
巨大
分子


A 部位
所在
1A 2A 3A 4A 5A 6A 7A 8A 9A 解剖
組織
1
B 形状
色調
1B 2B 3B 4B 5B 6B 7B 8B 9B
C 名称
意味
1C 2C 3C 4C 5C 6C 7C 8C 9C
D
がり
1D 2D 3D 4D 5D 6D 7D 8D 9D 生理
生化
2
E 区分
構成
1E 2E 3E 4E 5E 6E 7E 8E 9E
F 役割
働き
1F 2F 3F 4F 5F 6F 7F 8F 9F
G 仕組
物性
1G 2G 3G 4G 5G 6G 7G 8G 9G 発生
遺伝
3
H 由来
継承
1H 2H 3H 4H 5H 6H 7H 8H 9H
I その他 1 I 2 I 3 I 4 I 5 I 6 I 7 I 8 I 9 I
体性系〔2.受容 →3.伝達 →4.実施
臓性系〔5.吸収 →6.運搬 →7.排出
〔1.界〕・〔8.調整,〕 9.他
役割/機能の基本:動物生理/細胞生理の基本
2系6要素+α

ボタン〔X,Y,Z,W〕

 本サイト内の解説へ移動する。

ボタン[1] - [9]

それぞれの階層レベルの概要(意味意義)の解説シートへ移動:移動先のサイト名は〔階層性「視座視点一覧」〕、 

このサイトの略号は「BioMTX」、移動先から戻る時はこの文字列をクリック

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資料1. 動物体の階層性(階層レベル)の考察
 :導入課題(共有命題とその課題)

図9あるいは下記一覧に関わる詳細は関連サイトに移動して参照してください(実演生物学TopPageに示す「階層性:視座視点一覧」、あるいは、その実践解説(スライド集):「描き見て考える」に示す各項目)。 移動は左記の文字列をクリック


階層構造レベル 1.
個体:オーガニズム/ボディ」に関わる視座視点

A. 共有命題
多様性と共通性:サカナの縦縞・四肢・尻尾」を話し合う。

B. その課題
体部位・体軸・体断面・体内腔」を考える。

C. 実践サイト:動物体の原型
・・・「ココ」をクリックして移動
(Cのサイトは別シートへ移動です/戻る時は「BioMTX」で)


階層構造レベル 2.
器官系:オーガンシステム」に関わる視座視点

A. 共有命題
ネコの前にサカナを置いたらどうなるか」を話し合う。

B. その課題
動物生理の基本:2系6要素と器官系区分」を考える。

C. 実践サイト:器官系11区分とその順列
・・・「ココ」をクリックして移動
(Cのサイトは別シートへ移動です/戻る時は「BioMTX」で)


階層構造レベル 3.
器官:オーガン」に関わる視座視点   

A.共有命題
体の中身の描き方:描いた線や形とは何?」を話し合う。

B.その課題
体の側面俯瞰図と器官、体腔管腔その壁面/オモテ」を考える。
C1.実践サイト:管状構造と体の中身
・・・「ココ」をクリックして移動
C2.実践サイト:体の横断面
・・・「ココ」をクリックして移動
(Cのサイトは別シートへ移動です/戻る時は「BioMTX」で)


階層構造レベル 4.
組織:ティッシュ」に関わる視座視点

A.共有命題
体の薄切り2色で染めたらどうなるか」を話し合う。

B.その課題
4大組織(上皮・結合・筋・神経)とその由来」を考える。

C1.実践サイト:マクロ組織の話し合い
・・・「ココ」をクリックして移動
C2.実践サイト:シート構造とその極性
・・・「ココ」をクリックして移動
C3.実践サイト:組織学自主トレ
・・・「ココ」をクリックして移動
(Cのサイトは別シートへ移動です/戻る時は「BioMTX」で)


階層構造レベル 5.
細胞:セル」に関わる視座視点

A.共有命題
生きている細胞をシャーレに入れたらどうなるか」を話し合う。

B.その課題
細胞の基本的性質、多様な細胞とその原型・描き方」を考える。

C1.実践サイト:細胞の基本構造
・・・「ココ」をクリックして移動
C2.実践サイト:シート構造とその極性
・・・「ココ」をクリックして移動
C3.実践サイト:お絵描き実験
・・・「ココ」をクリックして移動
(Cのサイトは別シートへ移動です/戻る時は「BioMTX」で)


階層構造レベル 6.
細胞小器官:オルガネラ」に関わる視座視点

A.共有命題
細胞自身は何をしている」を話し合う。

B.その課題
細胞生理の基本:古典的ロジック(2系6要素)の展開」を考える。

C.実践サイト:細胞内機能と順列
・・・「ココ」をクリックして移動
(Cのサイトは別シートへ移動です/戻る時は「BioMTX」で)


階層構造レベル 7.
巨大分:マクロモリキュル」に関わる視座視点

A. 共有命題
筋肉は何からできている」を話し合う。

B. その課題
生体高分子とは?:種類・形・役割・仕組み・由来」を考える。

C. これについては「考える生物学」で参照してください。


階層構造レベル 8.
分子:モリキュル」に関わる視座視点

A.共有命題
子牛が草を食べるとなぜ成長するか」を話し合う。

B.その課題
生体分子とは?:種類・形・役割・仕組み・由来」を考える。

C. これについては「考える生物学」で参照してください。

・・・・・・・・・・・

本編の主要なイメージ(Fig0-Fig000)

2 2 2
(画像クリックで拡大表示:左 Fig.0  中 Fig.00  右 Fig.000) 
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<T.概説編>
 :個体生物学の学習マトリックス
   (学習内容構成論)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

T-0. はじめに:概説編の概要

物理をはじめとする現在の自然科学の目標は、対象とする「ものこと」の「起源・構造・運動・変化」の法則性を明らかにすることです。生物学では、例えば学習指導要領によれば、生物学習とは「観察・実験などを行い、生物学の基本的な概念原理・法則の理解を深め、科学的な見方や考え方を養う」という段取りから成り立っています。生物学の原理・法則とは「生物に共通した基本的な機能普遍的な特性」のことが該当するようです。つまり、例えば「サカナもヒトも同じだよ」という視点も必要ということです。この事例が成り立つ法則や仕組み(考え方)とはどのようなことを言うのでしょう。そのためにはどのような視座視点に沿って考えれば良いのでしょうか。この概説編ではそれらのことの枠組みを考えます。

例えば、動物体を扱う個体生物学では『構造(つくり)と機能(はたらき)』という2大視点に加え、その『仕組みや由来』を理解するという枠組みを立てます。大変重要な観点ですが、これではあまりにも大雑把・至極当然なので、学習者に必要な「何をどのように考えるか」を思い浮かべるかは難しいかもしれません。それで本講義ではもう少し実用的な学習の視座視点(考察の枠組み)ということを考えたいと思っています。
  例えば、体のことは「構造」から考えるという方針があります。この場合の「構造」とは「要素の配置とその繋がり」という意味です。シンプルな表現ですが、複雑なこと・疑問なことを考えるとき、これを意識すると視野が広がるはずです。例えば、「体の中身を考えてみましょう」あるいは「DNAの構造について考えてみましょう」という漠然とした平易な疑問に対しても「要素の配置とその繋がり」という視点を用いれば/与えれば素直な対応が可能ではないでしょうか。従って、その利点は「複雑に考える必要はない」ということです。

<現実実体の枠組み:2系6要素>

 A1.現象/状況A2.実体/実在A3.本質/原型

   ↑↓    ↑↓     ↑↓

 B1.働き/役割B2.機能/仕組B3.性質/物性


** 構造とは要素の配置とその繋がり **
<生物学習の視座視点の基本>
・・・・・・・・・・
形・役割・仕組み・由来 vs 階層構造の要素
考察の視点の自己相似性

なお、生物学に限らず「考察の対象:疑問に思うこと」には常に複数の視点が関係しますが、最も平易な捉え方としては上記の「現実実体の枠組み」に沿うものと考えられます。例えば「なぜ空は青いの?」という質問に対して「それはね 気持ちが晴れ晴れするからだよ」という返答もありますが、科学では上記の枠組みから考えるということです。

但し、「いつ・どこで・誰が・何を・どのように:4W+1H」という一般に用いられる話し合いの形式(表現法)がありますが、本編は動物体を主要な対象とした個体生物学なので、この場合は「なに・なぜ・どのようにして・どのようにして:それ本当?」という姿勢で向き合って欲しいと思っています。後述する実践編(ワークシート学習)では特に意識してほしいことです。

この概説編の目的は、動物体を考える・考察するに必要な最低限の枠組みを明らかにすることです。つまり学習者に必要な「視座視点」です。また、個体生物学に関わる学習内容構成論を意識しています。それらの経緯から構成した視座視点の構造が上部パネルの「学習マトリックス」です。本編(概説編)では、以下に示す4つの項目「1.考察の視点、2.階層性、3.学習マトリックス、4.その補完」の順に従ってその概要を説明します。

なお、上部に付したパネル「学習マトリックス」は、実践編「動物体の階層構造とそのロジカルシンキングトレーニング(実験/演習/講義)」の時々に利用するため部分的にリンク構造となっています。その利用法は、U.パネル「学習マトリックス」の実用例、を参考にしてください(ココをクリック)。

また、下図の「Fig 1,2,3」は、本概説編:個体生物学の学習マトリックス(学習内容構成論)に関わる主要な項目・キーワードなどです(画像をクリックすると拡大表示されます/本サイトへ戻る時は拡大画像の下にある文字列「テキスト」をクリックします)。

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.1 中 Fig.2  右 Fig.3) 
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補足1. 科学とは?

科学を特徴付ける事項(定義)とは、一般に下記のような項目を満たすこと。

1)客観的、2)論理的、3)実証的再現性)、

 4)予測的(因果性)、5)数量的、6)知識累積的

 など。

 つまり、科学とは
1)誰もが向き合えることで(客観的)、
2)話の筋道が明瞭であり(論理的)、
 且つ、
3)実際に確認も可能なこと(実証的)。
 加えて、それらに従えば、
4)予想予測も可能(予測的)であり、
5)数量化により客観性を示す傾向があり (数量的)
6)最小努力の最大効果のため「専門用語が増え続ける」(知識累積的)、

 と言った性質や傾向を示す物事である。


補足2. 生物学とは?

生物学は一面「図説解説/用語項目/箇条書き」式でもあり、暗記ものと思っている人も多い。では、生物学とは何なのか。取りあえずの説明であるが、生物学とは「物言わぬ生物進化(地球進化)の成果物に代わりに、その成り立ちを代弁(翻訳/通訳)すること」と考えても差し支えはない。解り易く説明する事である。論理性や合理性に乏しく思えるのは「経験科学」の側面に強く拘束されるため。つまり、自分自身で確かめたことのない事でも「そう決まっている」と信じて進める方が無難である、という経緯にあるため(無視して進むのは苦労が多過ぎる)。まるで探検隊のような学問である。従って、重要な事項はできるだけ「論理的な枠組み」に支持されていると都合が良い。つまりロジックが必要である。

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〔T-1.考察の視点〕

動物体の構造を成す「要素」とは具体的には多くの場合「形や役割」を示すものであり、また、その成り立ちは「仕組み」という観点から説明されます。更にその要素には「起源や由来」があることから、それで、動物体のことは「形・役割・仕組み・由来」から考えるということになります。但し、「形」のことは重要なのでもう少し具体的/実用的に列記すると「1.部位・2.形状・3.名称・4.繋がり・5.区分(構成)・6.役割・7.仕組み(物性)・8.由来・9.その他」という常用可能な「考察の視点9項目」になります。例えば「DNA」について左記の9項目を用いれば図5のようになります。腑に落ちないことの再確認として使えるはずです。
 つまり、多くの場合、生物学習ではことの始まりに「用語」を置き、その用語の具体性を多様な観点から理解します(教授します)が、上記を用いるとその多様性が定型として繰り返し利用できるということです。「考察の視点の自己相似性」に基づく生物学習が可能となります。

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.4  中 Fig.5  右 Fig.6 )

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〔T-2.階層性〕

体の成り立ちを考える/話し合うには「階層性」という考え方(概念)が不可欠です。つまり、動物体は「1.個体-2.器官系-3.器官-4.組織-5.細胞-6.細胞小器官-7.巨大分子(超分子)-8.分子-9.元素(元素)-という段階的な区分(階層レベル)に基づき構成されている、体は「ツリー構造」として考えることができる、というシンプルな考え方です。ちなみに「個体・細胞・分子」の3レベルは階層性の3大要素です。
 その利点は、1)複雑な体構造に平易で明瞭な視点つまり「基軸」を与えること、更に、2)階層上位と下位は「実質的な連続性の関係にある」とされるため、「それぞれの区分は何を意味するのか、どのような仕組みや原理法則によるものか?」という共有命題、学習課題、更に研究課題などが容易に成り立つことです。
 学習の場においては、階層性(の必要性)を確認するため、また、その意味意義を実感する事例として、その特徴的な性質に基づく任意の話し合い(共有命題)が成り立つことです。つまり、表題(階層レベル)・副題(共有命題)の関係から、「その場・その時・その課題」に沿った「学習:解説・考察・協議」が成り立ちます。「なに・なぜ・どうして・どのようにして・それ本当?」の観点から知識レベルに関係なくフェアな学習フィールドを形成することにあります。その事例(共有命題・課題の一覧)は下記(図9)です。 あるいは、本サイト「資料1:ココ」、またはその総説「階層性:視座視点一覧」を参照。

2  2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.7  中 Fig.8  右 Fig.9 )

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〔T-3.学習マトリックス〕

以上からまとめると、体の「成り立ち」を考える「個体生物学の学習」とは、横軸に「階層性」を置き、縦軸には「考察の視点9項目」を設置した枠組みに基づき実施するということでもあります。つまり、動物体に与えられた階層性の各レベルにはそれぞれ異なった構造や形態からなる種々の要素が含まれ1ますが、それらを考えるに必要な「考察の視点」とは階層性レベルに関わらず上述した視点9項目を用いることができるということです。複雑なことであっても「考察の視点の自己相似性」から取り組むことが可能となることから、よって「個体生物学の学習マトリックス」が成り立ちます。 
 その利点は、学習の折々に生じる疑問の整理や自主的な考察と考えられます。ロジカルシンキングに不可欠な起点の配置と枠組みと考えています。役立つはずです。なお、マトリックス(基質)という用語はいろいろな場面で用いられますが、「何かを生み出すところ」というニュアンスなので気軽に対応してみよう、ということです。つまり、「基本」に基づく課題解決法の一例です。 学習マトリックスの使用例は「U.」を参照してください(ココをクリック)。

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.10  中 Fig.11 右 Fig.12)

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〔T-4. 学習マトリックスの補完:機能の基本〕

生物学では「役割・働き」の考察にも重点があり、時々戸惑いにもなってしまいます。それで、生物学の古典(知っててお得な誰もが認める考え方)は、動物体の内部要素に認めた基本的な役割(機能)を「受容・伝達・実施、吸収・運搬・排出」という6つの要素に加え、「境界・調整」という考え方(動物生理の基本)を与えています。これには具体的な説明が不可欠なので「器官系:実践編のワークシートB」の解説で扱いますが(あるいは別サイト:ココをクリック)、とりあえず「機能の基本」として設定します。それで上記の「学習マトリックス」には「役割・働き」の補足としての第3軸「機能の基本」という視点を加えることが可能です。
 更に、以上の概要(動物体の成り立ちの理解)を学理領域から俯瞰すると「解剖組織学・生理生化学・発生遺伝学」の3領域のいずれかに対応した取り扱いとなります(第4軸)。

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.13  中 Fig.14  右 Fig.15 )
先頭行へ移動MTXパネルへ

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.16  中 Fig.17  右 Fig.18 )
先頭行へ移動MTXパネルへ

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.19  中 Fig.20  右 Fig.21

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〔T-5. まとめ〕

 生物学習の取扱いは「その場その時その課題」として任意に扱われるが、学習者主体の学習には一貫した「考察の道筋」も必要ではないかと考える。考えるに適した学齢期の受講者に自明の理「This is a pen.」のようなことは一般にはありえない。ロジックが希薄な状況において「課題解決型」の取組みは混乱を招くかもしれない。それでそのため、本編では実践学習の場に向けた「階層性と考察の視点の自己相似性」に基づく「学習マトリックス」を新たに提案した。その実効性は、例えば、階層性に関わる共有命題(図5)などに基づく「文脈ベースの解説」を通じて可能となり、個体生物学の概論(総論)としてその効果を示す。つまりいわゆる基本の理解となる。その結果、その詳細いわゆる各論となる学習項目は、学理領域3区分に基づく任意の選択課題(演習課題)としての取り扱いが可能となる。よって、総論・各論の2段階の構成は受講者の学習状況に応じた生物学習(個体生物学)の重層深度化(掘り下げ考える)を可能とすると考える(課題考察型学習の導入)。 また、知識偏重に陥らないためにも学習内容到達度の再確認法として利用が可能であろう。更に、生物学習用語の系群化に一定の基準・枠組みを与えると考えられる。フェアな学習フィールドに向けた基盤整備も必要と考える。

補足1 (細胞生理の基本)

「個体・細胞・分子」は階層性の3大要素であり、動物体は基本単位「細胞」を起点として階層上位(マクロ域)・下位(ミクロ域)の2 大区分としての俯瞰が可能である(図8)。更に、下位ミクロ域の連続性は上位マクロ域との対応関係として理解することも可能である。しかし、今現在、「器官系」に対応するミクロ域の「細胞小器官系」という階層レベルは定義されていない。但し、専門的には細胞の生理機能をいわゆる「細胞内装置」と見なすことは一般的である。よって「動物生理の基本」に対応した「細胞生理の基本:細胞小器官系(細胞内機能系)」という考え方の導入は実践学習の場においても有効である。すなわち、マクロ域の動物体に与えられた古典的なロジック「動物生理の基本:2系6要素-器官系11 区分」の意味意義(役割)をミクロ域の細胞機能レベルへ展開する方法である。その具体的な事例は実践編「E-2」に示す。

補足2(巨大分子)

いわゆる「分子レベルの学習」とは、主に『階層性「細胞」下位』の課題であり、よって、階層レベル「分子と巨大分子(超分子)」の区分は不可欠である(DNA やタンパク質などがどの階層レベルにあるかの理解は必要と考える)。その事例は、例えば「筋構造の成り立ち」が示すように階層「細胞」下位の各レベルの連続的な理解であることから、その必要性に疑いはない。

補足3(補足1の発展)

生物が示す第1の特徴は「自己複製あるいは継承性」であり、それらは「細胞」そのものが示す基本的な現象にある。その取り組みの始まりは、従って上述「補足1:細胞の生理機能(細胞自信は何をしている?)」の「自己複製系・遺伝子発現系」にあるが、生物の主要な特性であることから「遺伝現象の基本:遺伝子DNA の構造、セントラルドグマ、細胞周期・細胞分裂」の観点から展開される課題と考えられる。その発展が「生殖細胞とその継承性:遺伝学」であり、「遺伝」という用語のニュアンス「inheritance, heredity, genetic inheritance(genetics)」の意味意義の違いには配慮が必要であろう。 この観点は「遺伝の基本」という表題から別様サイトに実践スライド集とした(ココをクリック)。

補足4(個体発生)

いわゆる「発生」に関わる学習は上述「考察の視点9項目」の「由来」に求められるが、形態的には主に『階層性「細胞」上位』に渡る課題である。特に階層レベル「組織」に付加される「4 大組織の起源・由来」に学習課題「個体発生」の始まりを求めることは納得できる通例である。よって、上述の「総論・各論」の位置付けに基づく対応が可能となる。

補足5(細胞培養実験)

体の基本単位「細胞」は生物学習の「要」となる要素であり、その実験学習は生物学の理念「実体と概念の連立連携」から不可欠である。つまり、生きてい動物細胞を扱う細胞培養技術に沿った実験学習「細胞の基本的な性質の確認」は階層性のマクロ域・ミクロ域に渡る多くの視点を提供することから、そのシステム導入は上述の学習内容構成論を具体的に支えると考えられる。論より証拠・されどロジックも必要。 細胞培養実験の実践例は別様サイト「ココ」を参照。

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<T-6. 要約:動物体の考察の視座視点>

実体あるものには「構造:要素の配置とその繋がり」があり、生物は「遺伝子の継承」に基づく構造体である。動物体にはその第1の視点として「階層性/階層構造性:1.個体-2.器官系-3.器官-4.組織-5.細胞-6.細胞小器官-7.巨大分子-8.分子-9.元素」が与えられる。その要素に対する基本的な視点は「形・役割・仕組み・由来」であるが、「形」には補完的な視点を加え「部位・形状・名称・繋がり・区分・役割・仕組み・由来・その他」という常用「考察の視点9項目」を用いる。但し「役割」は「動物生理の基本:2系6要素-器官系11区分とその順列」に準じた具体性から補足・考察する。なお、動物体に与えられた学理領域の基本は「解剖組織学・生理生化学・発生遺伝学」の3区分であり、また、体の基本単位は「細胞」であることから「細胞生物学」として統合的な取扱いも可能となる。よって、個体生物学の学習の基本とは、階層性に基づき学習対象とする「課題・要素・用語」に対する「考察の視点の自己相似性」の適用であり、実践的な「学習マトリックス」が成り立つ。

以上、当たり前のことを書いているようで、
とても複雑な気持ちになりました

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U. 学習マトリックス(BioMTX)
 :上パネル(下図)の解説と使用法

学習対象は階層構造レベルに従う。その視座は考察の基本、その視点は「部位/形状/名称/繋がり/区分/役割/仕組み/由来:下のA - I」。下欄の事例は「DNA:レベル巨大分子」についてのQ&Aです。
補足:学校教師や文科省はDNAを分子と教えるようだがそれは間違い。英語の原書にそう書いてるのかな? 丁寧に言えば「Macromolecule」なので学習者はなぜそうなのか考えてね/生物学ではそのことも意識してね。母語/イメージ言語を知識用語に変換しながら納得へ向かうのが生物学だよ。生物学は必須科目/生きるを感じる教科だよ。

<事例「DNA」の考察>

A. DNAはどこにあるか?
B. DNAとはどんな形か?
C. なぜそんな名前なのか?
D. DNAはどこに繋がってるのか?
E. DNAはどんな部品でできてる?
F. DNAはどんな役割を持つのか?
G. DNAはどんな仕組みで働くのか?
H. DNAはどのようにできてくる?
I. DNAに類似には何があるのか?

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MTX利用法:事例

    1. 学習マトリックスの「課題/要素/用語」の欄には「考察の対象」として取り上げたい用語(又はセンテンス)を記述する。
    2. その用語などの意味意義を、マトリックス構成軸、特に「考察の基本」の任意の項目から、自由に且つ丁寧に「考えて、話し合い、調べ」てみる。あるいは「描き見て・考え・話し合う」。用いた視点(MTX記号)には丸印を付す。
    3. 考察には教科書・図説集なども参照する。Y軸「考察の視点」の項目は任意に意訳し用いても良い。あるいははじめに、特定の階層レベルに関わる課題考察型学習として、その概要を説明するサイト「階層性:視座視点一覧」を参照する(文字列クリックで移動)。
    4. その結果、納得できる知見が得られるはず(対象用語のイメージが明瞭になってくる)。同時に、「新たな疑問」も生じるはず。その自発的な疑問は「各自の発見」であり大切である。
    5. よって、新たな課題として表記し、視点を変えながら改めて考察・協議を加える(見捨てない)。その結果、動物体の構造性が見えてくるはず(の理解が進むはず)。
    6. なお、体構造の要素(対象とした用語)とは階層上位と下位との連続性から成り立っている。その関係も意識しながら考察する。
    7. 以上の目的は、不明瞭な事柄の顕在化と整理であり、必ずしも解答を求めるものではない。つまり「学習項目を復習する」という姿勢で各自の理解を深めることに意義目的を置く。

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補 足

  1. 概念化された階層レベル(X軸区分)そのものを学習や考察の対象とする場合、その第1の視点は「構造:要素の配置と繋がり」であり、つまりどのような大区分や種類から成り立っているか、である。また対象としたレベルとその上位下位との関連性である。
  2. 要素/用語はその上位の階層により規定される。いわゆる自明の扱いであるが、構造(要素の配置とその繋がり)の観点から扱えば、それらは文脈ベースの連続的な解説の一部である(用語の単離浮遊にはならない)。よって、その前提として共有命題(図5)を必要とする。
  3. 動物体の階層性は「ツリー構造」であり裾野が際限なく広いピラミッド型のイメージである。つまり、体構造の要素用語はその階層上位と個々のリンク関係にあるが、学習の場においては一般論(概論)として扱いながら、必要に応じて「実体と概念の連立」の関係から個別の対応(各論)とすることも必要である。
  4. 実践編で取り上げる課題(ワークシート)に関わる用法の事例(一部)を以下に記す。
  5. 必要に応じてサイト「階層性:視座視点一覧」を参)。

ワークシートA
 「細胞」の考え方

5A. 細胞はどこにある?
5B. 細胞はどんな形?
5C. どんな名称がある?
5D. 細胞はどこに繋がっている?
2E. 細胞にはどんな種類がある?
5F. どんな役割がある?
 つまり、どのような性質か?
(実施課題Aを通じて考えよう)

ワークシートB
 「体の中身」の考え方

2A. 器官系は体のどこにある?
2B. 器官系はどんな形?
2C. 名称には何がある?
2D. 各器官系はどこに繋がっている?
2E. 器官系にはどんな種類がある?
2F. どんな役割を担っている?  つまり、動物生理の基本とは? (実施課題Bを通じて考えよう)

ワークシートC
「組織」の考え方

4A. オモテ側の細胞層
(上皮組織)はどこにある?
4B. オモテ側の細胞層はどんな形?
4C. どんな名称がある?
4D. 細胞シートはどこに繋がっている?
4E. どんな役割がある?
 つまり、体腔管腔その壁面とは?
 つまり、ウラ側には何が有る?

(実施課題Cを通じて考えよう)

ワークシートE
「細胞小器官」の考え方

6A. 細胞小器官はどこにある?
6B. 細胞小器官はどんな形?
6C.どんな名称・種類がある?
6D. 細胞小器官はどこに繋がっている?
6E. どんな役割がある?
(細胞内装置は細胞小器官系)つまり、細胞自身は何している? つまり、その考え方とは?

(実施課題Eを通じて考えよう)

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資料2. 階層性(階層構造性)
:動物体の見方・考え方・進め方・・・(基軸A)

以下の表「階層性とその共有命題」の詳細は別サイトを参照:「ココ」をクリック

<前 提>

  • 体は1細胞を起源とし全ての細胞と細胞間物質は細胞から生じる:細胞説
  • 話し合いは「形・役割・仕組み・由来・その他」、構造とは「その要素の配置と繋がり」
  • なに・なぜ・どうして・どのようにして:それ本当?
区分 命題・課題
 ・その視点
その要素/構成/事例
 (キーワード)
T 個体 A. 共有命題
サカナの縦縞・四肢・尻尾」を話し合う。
B. その課題
「科学論・多様性と共通性・体の座標」を考える。
1次
 体型区分
体部位・体軸・体断面
・体内腔・体節
2次
 体型区分
体壁性器官/体性系:背側、
内臓性器官/臓性系:腹側
骨格系 骨パズル:頭部骨格、
 鰓弓系、肩帯/腰帯、
U 器官
A. 共有命題
ネコの前にサカナを置いたらどうなるか」を話し合う。
B. その課題
「器官系区分と動物生理の基本」を考える。
動物生理の基本 2系6要素「受容-伝達-実施、吸収-運搬-排出」+α
器官系統の区分 器官系11区分とその順列・配置・役割
V 器官 A. 共有命題
体の中身の描き方:描いた線や形とは何?」を話し合う。
B. その課題
「体構造の側面俯瞰図と主要器官」を考える。
器官と臓器 その所属(分類)・繋がり・役割
体腔管腔その壁面 細胞と細胞シート(上皮組織:上皮・中皮・内皮)
体内構造の方向性 表面と裏側(オモテ側とウラ側)、その規則性
W 組織 A. 共有命題
体の薄切り2色で染めたらどうなるか」を話し合う。
B. その課題
「4大組織:上皮組織・結合組織・筋組織
 ・神経組織、とその由来」を考える
組織区分とその要素 4大組織(上皮・結合・筋・神経)、細胞と基質
10 所在の根拠 発生学的な由来(シート構造の変化と規則性)
11 結合組織の考え方 中胚葉由来の細胞と物質
X 細胞

A. 共有命題
細胞をシャーレに入れたらどうなるか
  を話し合う。
B. その課題
「多様な細胞とその原型・細胞くんの描き方」 を考える。

12 細胞構造の基本 膜系構造体、細胞の起源(共生進化)
13 細胞の基本的性質 足場依存性と細胞シートの形成:点・面・立体
14 多様な細胞の考え方 形態と機能:細胞くんとパラニューロン、etc
Y 細胞
小器官
A.共有命題
細胞自身は何をしている」を話し合う。
B.その課題「
細胞生理の基本:考える筋道・古典的ロジックの展開」を考える
15 分類・構造・機能 機能装置としての理解
16 細胞生理
 の基本
考察の枠組み:2系6要素11器官系区分との対応
Z 巨大
分子
A.共有命題
筋肉は何からできている」を話し合う。
B.その課題
「生体高分子・巨大分子とは?:種類・形
 ・役割・仕組み・由来」を考える。
17 筋構造とその階層性 構造と名称区分(様態名称と実体名称)
18 巨大分子の種類 分泌性物質と内在性物質、構造と役割
  遺伝の基本 セントラルドグマ(DNAから蛋白質)、高次構造
[ 分子 A.共有命題
子牛が草を食べるとなぜ成長するか
 を話し合う。
B.その課題
「生体分子とは?:種類・形・役割・仕組み・由来」を考える。
20 生体分子の種類と構造 糖・アミノ酸・脂質・核酸・補酵素・生体元素
21 物質の代謝と循環 糖代謝・窒素代謝・核酸代謝:起点と繋がり
22 エネルギー変換 ATP合成、膜電位、補酵素の役割
考察の視点9項目
:部位・形状・名称・繋がり
  ・区分(構成)・役割・仕組み(物性)・由来・他

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<V. 実践編>
 :動物体の階層構造とそのロジカルシンキング
  ・・・実験/演習/講義

(表題. 細胞培養実験に基づく「動物体の成り立ち」とロジカルシンキング)

1.はじめに、2.実施課題の概要ワークシート学習項目、3.注意、4.補足:〔A.細胞実験〕・〔B.体内構造の基本〕・〔C.組織観察〕・〔D.まとめ〕・〔E-1.細胞構造の基本〕・〔E-2.細胞生理の基本〕・ 補足資料

・・・・・・・・・・・・・

V-1. はじめに

概説編では、個体生物学の学習に必要な学習の視座(考察の枠組み)・「学習マトリックス」について説明しましたが、やはり具体性がないと納得できないと思います。それで、本編(本講義)では幾つか具体的な話題(下記「実施課題」V-2.1)を取り上げ「個体生物学の基本的なロジック」ということを考えたいと思っています。但し、生物学の理念は「実体と概念の連立連携」であり、つまり実験学習(実体に基づく生物理解)が必要です。文章解説では理解が難しいことでも実験考察を行えば視野が広がるはずです。
 それで本編・本講義では「論より証拠・されどロジックも必要」という観点から、実験学習に基づく「動物体の階層構造とそのロジカルシンキングの展開」ということを「ワークシート形式」で実施したいと思っています。実施実験は体の基本単位「細胞」を対象とします。つまり、細胞培養実験に基づく「動物体の成り立ち」の考察を行います。

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V-2.実施課題の概要

  1. 階層性の主要レベル「細胞」に関わる実験観察を行いますワークシートA。つまり「細胞は体の基本単位であり、体は細胞と細胞間物質からできている、体の全ては細胞から生じる:細胞説」という基本命題があるので、「生きている細胞をシャーレに入れるとどうなるか」ということからその基本的な性質を確かめたいと思っています。つまり「細胞培養実験」を行ないます。
  2. 次に「木を見て森を見ず」とならないためにも、動物体そのもの・体の中身「器官とその系統(器官系)」について「作図作業」などを行い「体の中身の考え方:動物生理の基本」ということを考えてみますワークシートB。また、その実物「体内構造:組織染色標本像」をバーチャル顕微鏡で観察しますワークシートC。更に、それらを基に、課題Bで扱った「体の形」とは何なのかについて協議しましょう。つまり、「描いた線とは何・体の形は何からできている?」です。
  3. 以上の経緯を通じて、本講義の主要目的「動物細胞の基本的性質と動物体との関連性」ということを解説・協議したいと思っていますワークシートD。つまり、階層性に基づく動物体構造(要素の配置とその繋がり)の考え方です。

 なお、以上のことは階層性「個体から細胞」のことなので、時間があれば階層下位「細胞生物学:細胞から分子」に関わる課題「細胞構造と細胞生理の考え方」ということにも踏み込みたいと思っていますワークシートE-1、E-2。「筋肉は何からできている?」ということを、DNAや分子レベルも含め、話し合いたいと思います。
 よって、以上の本講義のテーマは、細胞培養実験に基づく「動物体の成り立ち」:階層性ロジカルシンキングの展開(その一部)です。つまり、「論より証拠、されどロジックも必要」ということを実感してほしいと思っています。生物学習には基本的なロジック(論理・考え方)が必要ではないでしょうか。

学習とはプロセスであり肉体労働である。
より長く筆記用具を使った教科は何?

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V-2.1. ワークシート学習項目>

本講義の実際はこのWebテキスト「実演生物学」TopPageの「実験講義2」に基づき実施される。 内容の詳細はワークシートに記す指定サイトに基づき実施される。

ワークシートA.
Exp1 体の基本単位「細胞」の__を「細胞培養実験」で確かめる

実験講義2/実践スライド[1-5]は ココ をクリックし参照〕

*表題「生きている細胞をシャーレに入れたらどうなるか?:お絵描き実験

*目的:細胞の基本的性質の確認(形態変化とその自律性について)。

*学習マトリックス:階層性「細胞」の5Aから5F(5EはE-2で実施)

ワークシートB.
協議 「動物体の基本構造と動物生理の基本」

〔実験講義2/実践スライド[3.導入、4,演習1]は ココ をクリックし参照〕

*表題「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか?:体の中身の描き方

*目的:器官系に基づく体構造「2系6要素」という考え方の確認

*学習マトリックス:階層性「器官系」の2Aから2F、

*学習マトリックス:機能の基本「全て:2系6要素+α」

ワークシートC.
Exp2 「動物組織のバーチャル顕微鏡観」

 〔実践スライド集はココをクリックし参照〕

*表題「体の形は何からできている/無いとの境界には何がある?

*目的:ヘマトキシリン・エオシン染色組織体構造の見方:体腔管腔その壁面

*学習マトリックス:階層性「組織:上皮組織について」の4Aから4F

ワークシートD.
まとめ(協議)

「細胞の基本的な性質と動物体との関連性」

〔実験講義2/実践スライド[9.考察2、11.考察3]を参照:左文字列をクリック〕

*学習マトリックス:考察の基本「繋がり」の1Dから5D、階層性「細胞」

下記は時間の都合に応じて調整し実施予定する

ワークシートE-1.

補足1「細胞構造の基本:細胞くんの描き方
 〔実践スライド集はココをクリックし参照〕
 *階層性「細胞/小器官」の5E・5F

ワークシートE-2. 補足2「細胞機能の考え方:2系6要素の展開
 〔実践スライド集はココをクリックし参照〕
 *階層性「器官系/小器官」の6A・6F

・・・・先頭行へ移動 MTXパネルへ・・・・


<V-3. 本実験講義に関する注意事項>

  1. □ 実験とはともかく何かを確かめること。君は何を知りたい確かめたい?
  2. □ 本講義の目的は専門的な知識や技術を習得することではない。培養細胞を用いた実験講義を通じて科学「生物学」を体験すること、話し合いや協議を通じて「考える経験値」と「自然物に対する視点」を構築することである。つまり「動物体の成り立ち」についていろいろな「話し合い」を行うので気軽にまた積極的に参加してほしい。話し合いをしてほしい。
  3. □ 本実験講義に対する姿勢:「なに・なぜ・どうして・どのようにして:それ本当?」 『論より証拠・されどロジックも必要』という気持ちで。 (科学を進めるためには何が必要か重要かを一緒に考えましょう)
  4. □ 画像スライド(連続画像)を多用するが、幾分早いスピードであり、見逃してしまうこともあると思う。しかし、慌ててはいけない。理解してほしいことは「全体を通じたイメージ」である。疑問点など個別詳細は後日改めて本テキストやWebテキストを参照し確認してほしい。
  5. □ 話し合いを沢山行うが、質問への回答は、気軽に「思いつき」のような返答でもかまわない。返答に困ったや戸惑った時は「パス」でも良い。
  6. □ 本講義の内容は、今後の学習の時々に遭遇する事項と思ってほしい。いろいろ生じた疑問は、その時改めて、教科書や参考書などを用い確認してほしい。先生との協議が最も効果的である。
  7. □ 講義中であっても、時々、お茶などを飲み、快適な状況となるよう各自で工夫してほしい。
  8. □ 確認事項 配布資料(テキストなど)の図の下段には「◎ ○ △ ×」がある。講義中あるいは終了後に、自分の判断で「納得/分かった」の程度に合わせ丸印で囲む。(最終的には一覧表として提出する。例えば:1◎、2×、・・)

基本命題(どのように説明しよう)  
本講義では下記の生物学に関わる項目(共有命題)を考えます。

1)リンゴが木から落ちた(らどうなるか)     - - 物理学      

2)塩の塊を水中に入れた(らどうなるか?)   -   - - 化学

3)細胞をシャーレに入れた(らどうなるか?)   - - 生物学1(細胞学)  

4)体の薄切りを2色で染めた(らどうなるか?)
  - - 生物学2(組織学)  

5)ネコの前にサカナを置いた(らどうなるか?)
  - - 生物学3(解剖学)  

6)仔牛が草を食べた(らどうなるか?)    
  - - 生物学4(生理生化学)  

7)細胞自身は何をしている?
  - - 生物学5(細胞生物学)

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ワークシートA.
・・・・Exp1 「細胞培養実験:お絵描き実験」

*表題:生きている細胞をシャーレに入れたらどうなるか?:お絵描き実験

*目的:細胞の基本的性質の確認(形態変化とその自律性について)

<本節(シート)の目的>
階層性の主要レベル「細胞」に関わる実験観察を行います(実施課題A)。つまり「細胞は体の基本単位であり、体は細胞と細胞間物質からできている、体の全ては細胞から生じる:細胞説」という基本命題があるので、「生きている細胞をシャーレに入れるとどうなるか」ということから、以下に示す「お絵描き実験:形態形成に関する基礎実験」を通じて、その基本的な性質を確かめたいと思っています。つまり「細胞培養実験」を行ないます。

本節の実践サイト(講義テキスト・スライド集)は「実験講義2:序論 1-5から」です。移動には「ココ」をクリック

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お絵描き実験(目的と概要)
 ・・Webサイト「細胞実験:Exp1

 生きている動物細胞(魚類の培養細胞FHLS)と身近な生体由来の物質(ゼラチンやアルブミン)を材料に「細胞培養実験」を行ないます。最終的に、培養シャーレの中に微小な細胞で大きな「形」を形成します。なぜ細胞で簡単に「形」ができるのか、その理由を「細胞や材料の性質や特徴」から考えましょう。更に、生体の組織細胞との類似性から考察しましょう。結果的に「動物体の成り立ち」に対する基本的な視点を構築しましょう、を目的とします。疑問は大切に!

演習1:形態形成に関わる基礎実験
 :「お絵描き実験」のロジック

 (仮説演繹的な考え方) 
1)体は「_____」からできてくる(由来)。  
2)体は「_____と________」で
  できている(区分/構成)。
    ↓それなら、  
3)生きている___と____の__
 (細胞間物質)があれば「形」ができるはず。  
4)それらの性質や役割が解れば「___」が
  できるはず。  
5)______としてできるはず。
    ↓それなら、  
6)______:動物培養細胞による
  形態形成の基礎実験をしてみよう。  
7)実験とは_______________。

 君は何を知りたい確かめたい? 

*したがって、学習実験に失敗はない

自主的な考察が実験・その経緯結果から原理を理解すること。構造の観点からあるがままに「要素の配置とその繋がり」を探求する至極自然な取り組み。誰もが必要とする自然誌の学び:空間と構造認識/読解力/自己分析能力の構築への楽しげな時間。ただし、答はないよ!・それが自然/Nature/本質だよ。限られた時間で自分自身で取り組む大切な時間。
きっと、その学習時間は、なぜか限られている、それで、その時間は身近な人と大切にしてね!

補足:実験や技術は「素材の性質(物性)の理解」に基づき開発される。細胞培養技術とは体内細胞が生きる生育環境の再現で成り立つ。よって細胞実験の経緯・経過・結果は体内細胞の様態を少なからず反映する。細胞実験を通じて体の中身や成り立ちを考えましょう。「基質/マトリックス」とは何かを生み出すところという意味・ニュアンスです。

<挿入図#2>

<挿入図#3>

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<お絵描き実験の材料>

□1.培養シャーレ、□1.ゼラチン(Gel)、
□2.綿棒、□3.血清アルブミン(Alb)、
□4.スポイト、□5.魚類細胞FHLS(Cell)、
□6.2次培養液(Ca-Med)、□7.固定液(G-Fix)、□8.染色液(CV)、

補足:本実験では生体の主要且つ最大?含量の重要な成分を実験材料としています
:基本単位「細胞」、構造蛋白「コラーゲン」、液性蛋白「アルブミン」、生体イオン「Caイオン」、栄養素:生体分子・細胞増殖因子「培養液成分」

(「骨切り実験・血清アルブミン液加の熱実験」で生体成分の性質を確認してみよう)


コメント:実験材料の意味意義を考えてみましょう
 ____________________
 ____________________
 ____________________
 ____________________

宿題1
:ゼラチン(コラーゲン)や血清アルブミンって何? 体のどこにある?

 _____________________
 _____________________

補足実験
:動物細胞の形態とその変化/生細胞の顕微鏡観察

細胞のライブ観察:経時的に固定染色し細胞を顕微鏡観察する
  :その形の変化を下枠に素描しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

培養0分
の素描/図

培養10分
の素描/図

培養20分の素描/図

培養40分の素描/図

_____________________
_____________________


Q1. 1粒2粒3粒の細胞
 :どう説明する?・なぜ動く・どう動く?、

Q2. 細胞培養実験の特徴:培養時間とは
:__________________

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参考資料

2 2 2
細胞にも足があり内部には筋骨格系のような運動に関わる装置がある:細胞骨格と細胞運動
画像クリックで拡大:左 Fig.22  中 Fig.23  右 Fig.24 )
先頭行へ移動MTXパネルへ

 _____________________
 _____________________
 _____________________

以上でワークシート(実験学習)Aは終了


ワークシートB.
・・協議 「動物体の基本構造と動物生理の基本」

*表題 :ネコの前にサカナを置いたらどうなるか?
 :体の中身の描き方

*目的:器官系に基づく体構造「2系6要素」という考え方を確認する

 

<本節(シート)の目的>

前節で「細胞実験」を行いましたが、「木を見て森を見ず」とならないためにも、動物体そのもの・体の中身「器官とその系統(器官系)」について作図作業(演習2、演習3)を行い「体の中身の考え方:動物生理の基本」ということを考えてみます(実施課題B)。

* キーワード. 構造:要素の配置と繋がり

本節の実践サイト(講義テキスト・スライド集)は「実験講義2:演習1 」です。移動には「ココ」をクリック

先頭行へ移動MTXパネルへ

Q1. 動物体には「器官系」区分がある。
   11区分の名称を下欄に書いてください。
    (ひらがなでもOK)

1.___系 2.____系 3.____系 
 4.____系 5.____系 6.____系  7.____系 8.____系 9.____系   10.____系 11. ____系

・・・・・・・・・

演習2「管状構造に基づく動物体の描き方」

Webサイト「描き見て考える:A3」/サイト移動には「ココ」をクリック

(X軸:個体・器官系、Y軸:部位/形状/名称/繋がり/区分/役割/仕組み/由来/その他)


挿入図#2
:基本となる概念図

挿入図#3
:完成図


挿入図#4:作業欄(下絵)

疑問は何?:
 _____________________
 _____________________
 _____________________

先頭行へ移動MTXパネルへ

演習3.
「2系6要素-器官系11区分とその順列(配列)」

  ・・Webサイト「描き見て考える」B1

(器官系:部位/形状/名称/繋がり/区分/役割/仕組み/由来/その他)


挿入図:#5
〔#35〕:2系6要素+α

<答えのない質問>

左図/丸枠内の名称(器官系)を繋がりとして考えたい。矢印(*→*)で表してみよう。但し1用語に繋がる線分は2本までとする。ネコの前にサカナを置いたらどうなるか?も意識しよう。
コメントや疑問は?

 ___________________
 ___________________
 ___________________
〔構造とは要素の配置とその繋がり〕

実践サイトはココをクリック

動物体には「器官系11区分とその順列配置」がある。下記に上の挿入図の結果をその順列で記せ
:1._C_→2.____→3.____→4.____
  →5.____ →6.____→7.____
  →8.____ →9.____→10.____
  →11.____

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演習4.動物生理の基本:2系6要素+α
 Webサイト「描き見て考える」B1 〔#36〕

 これまでの協議などに基づき器官系の考え方を下の配置図として完成させてみよう。

@ 系 背側:____系/体壁性器官(動物性器官)
→<__>→ <__>→ →<__>→
F____系 G____系 H___系 I___系
←<______>→ J ______系
A___
__系
B____系 C___系 D____系 E____系
→<__>→ <__>→ →<__>→
腹側:____系/内臓性器官(植物性器官)

宿題2. 器官系の区分やその取り扱い:君はどのような疑問を抱いたか?:メモ書きする。

 1. _________________
 2. __________________
 3. _________________
 4. __________________
 5. _________________
 6. __________________
 7. _________________
 8. __________________
 9. _________________
 10. __________________
 11. _________________
 他. __________________

宿題3.「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか?」を以上の経緯と動物生理の基本から解説してみよう。
 ______________________
 ______________________
 ______________________

ワークシート(実験学習)Bは以上

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ワークシートC.
・・Exp2 「動物組織のバーチャル顕微鏡観察」

*表題:体の形は何からできている/無いと有るの境界には何がある?(演習2の発展)

*目的:ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色の体組織構造の見方:体腔管腔その壁面

 ・・・・・・・・・・・・・・・・

<本節(シート)の目的>
前節で「管状構造に基づく動物体の描き方:2系6要素-器官系11区分」を行いましたが、その実物「体内構造:組織染色標本像」をバーチャル顕微鏡で観察します(実施課題C)。更に、それらに基づき、課題Bで扱った「体の形」とは何なのかについて協議しましょう。 実践サイトへは「ココ」をクリック。〔#37〕

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下の挿入図#6(MTZ-1):実践サイトの画像番号ではクリックすると拡大画像になる

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演習5.
 バーチャル顕微鏡「魚類マクロ組織」の観察

 実践Webサイトは
 :「組織学自主トレーニング」のMTZ-1パネル

 上図はニジマス稚魚の組織切片染色像(4μmは薄切/ヘマトキシリン・エオシン染色)です。つまり「体の薄切り・2色で染めたらどうなるか?」という問いに対する解答です。そこで質問です。設問『既に行った演習2「体の中身の描き方:作図」で描いた「線」あるいは「形」とは実際には何からできていると思いますか?
 当該のWebサイト(上図の組織像)と下記(質問)を参照しながらその答えを見つけてください(協議しください)。つまり、「描いた線とは何・体の形は何からできている?」を考えましょう。「無いと有る」の境界には何がある? です。 論より証拠・されどロジックも必要です。

質問1:画像は頭尾軸の傾斜縦断面(切断面)の画像です。具体的に分かりますか?(下敷き参照)。

質問2:例えば下記の観察部位(候補:分かり易い部位)を当該サイトで観察し協議し答えを見つけてください。
皮膚(0)、胃(27)、小腸(26)、大腸(31)、三半規管(4)、ネフロン(12)、

質問3:体の中身の見方「体腔管腔その壁面/オモテ側とウラ側」とはどのような意味でしょう?

2 2 2
画像クリックで拡大表示: 左 Fig.25   中 Fig.26   右 Fig.27)
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・・・・・・・・・・・・・・・

宿題6. 体内構造の基本
 (体腔管腔その壁面:上皮組織と細胞シート)

下枠の図を指定サイトを参照して、その経緯/成り立ちを確認してよう。


挿入図#7
:サイト参照はココ

挿入図#8
:サイト参照はココ

挿入図#9
:サイト参照はココ

挿入図#10
:サイト参照はココ

ワークシート(実験学習)Cは以上

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ワークシートDまとめ(協議)
 :細胞の基本的な性質と動物体との関連性

<本節(シート)の目的>

これまでの経緯と下記の質問などから、本講義の主な目的「動物細胞の基本的性質と動物体との関連性」ということを協議したいと思っています。つまり、階層性に基づく体構造(要素の配置と繋がり)の考え方です。実験とは何かを確かめること・表現してみること・共有命題とすること。

本節の実践サイト(講義スライド集)は「実験講義2:考察2,3、など」です。移動には「ココ」をクリック

・・・・・・・・・・・・・・・・

2 2 2
画像クリックで拡大表示: 左 Fig.28  中 Fig.29   右 Fig.30 )
先頭行へ移動MTXパネルへ

 

  2 2 2 
画像クリックで拡大表示:左 Fig.31  中 Fig.32  右 Fig.33 )
先頭行へ移動MTXパネルへ

 

2 2 2
画像クリックで拡大表示 左 Fig.34  中 Fig.35  右 Fig.36 )
先頭行へ移動MTXパネルへ

・・・・・・・・・・・・・・・・・

まとめ
:実験を通じて培養細胞が示した基本的な性質や現象

(Fig.35:BとDは補足)

@ 接着・伸展:足場/基質となる物質(コラーゲンなど)を認識し、接着・伸展した。
 キーワード「細胞外マトリックス、インテグリン、細胞接着

A 移動・配列:伸展細胞は隣接細胞と協調的に移動配列した。
 キーワード「細胞骨格、細胞運動

B 増殖・接触阻害:隙間があれば分裂増殖し、隣接細胞と接すると増殖を停止する。   
 キーワード「細胞周期、シグナル伝達、接触阻害

C 細胞シートの形成:最終的に切れ目のない集落「単層の細胞シート」を形成した。   
 キーワード「上皮組織、オモテ側」

D 機能発現/分化:培養条件を整えると機能的な細胞となる。最終的には細胞死に至る。
要約:細胞の基本的な性質とは「足場依存性と細胞シートの形成」である(細胞の社会性)。

ワークシート(実験学習)Dは以上

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ワークシートE-1.
  E-1. 補足1
  「細胞構造の基本:細胞くんの描き方」

  • Webサイト「描き見て考える」G-1:ココ
  • 細胞の部位/形状/名称/繋がり/区分/役割/仕組み/由来/他

***「構造」とは「要素の配置とその繋がり」***

<本節(シート)の目的>
これまでの実験・演習・考察から「細胞」という基本単位の役割や意義、特に「足場依存性、細胞シートの形成」といった基本的な性質がイメージできたと思う。細胞は確かに重要かも、という気分になってくれたと思う。そこで本節では細胞の構造を考える。つまり、「細胞は基質に接着する」とはどのような構造・要素に基づくものか、などのイメージを作る。「細胞くん」というマンガチックな概念図を描く。それ本当?という気持ちで対応してほしい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

質問:細胞の内にはどんな要素がある・その配置はどこ・どのように繋がっている?
   体の要素は「形と役割」を示す。

挿入図#11

挿入図#12

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細胞構造の考え方
:装置として考える(2系6要素11器官系の展開)

1) 膜系構造物
 :細胞膜、核膜、小器官膜(小胞体膜)など        ___________________

2) 核内構造物:染色質、核小体、クロマチン
 _________________

3) 細胞接着装置:緻密結合、接着斑/デスモゾーム
 ______________

4) 細胞骨格:アクチン繊維、微小管、中間径繊維
 _______________

5) ATP合成装置:ミトコンドリア   
   ____________________

6) 蛋白合成装置:粗面小胞体、遊離リボゾーム
 ________________

7) 脂質合成装置:滑面小胞体
 ____________________

8) 修飾包装装置:ゴルジ装置   
   ______________________

9) 分解排出装置:ライソゾーム、小胞体    
   _________________

10)分裂装置:中心小体、紡錘糸、収縮環/アクチン ______________

宿題7描いた「細胞くん」を一見すると普通の人は違和感を抱く。君たちはどうでしょう。もしそうでないならその他の人とは何がどのように違うのだろう。考えてほしい。

______________________
______________________
______________________
______________________

補足:体内には300種類くらいの細胞がある。腸の吸収上皮細胞、目の視細胞、体側筋の筋細胞(筋繊維)、結合組織の線維芽細胞、膵臓の内分泌細胞、胃の外分泌細胞、脳の神経細胞など。しかし、その全ては上記「細胞くん」の変形と考えることも可能かもしれない。体は一粒の細胞からできてくる・細胞と細胞間物質でできている(由来:細胞説)。サイトは「描き見て考える」のG-3。

なに・なぜ・どうして・どのようにして
:それ本当?

ワークシート(実験学習)E-1は以上

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ワークシートE-2. 補足2
 :細胞機能(動物生理の基本2系6要素の展開)

演習6:「細胞生理機能の基本」
 
・・・Webサイト:描き見て考える/H-1

<本節(シート)の目的>

これまでの経緯を再確認(復習)してみると、階層性のマクロ域「個体から細胞」に関わる基本を修めたということになりますが、現代生物学では階層性ミクロ域「細胞から分子」の学習にも重点が置かれています。つまり、細胞の分子生物学です。そのためには、これまで同様に基本命題(共有命題)が必要です。そこで本節では「細胞そのものは何をしている?」という観点から取組みたいと思います。つまり、複雑なことでも考える筋道は確かにある、ということを実感してほしいと思っています。実践サイトは「細胞内機能の考え方」です。文字列をクリックして参照しましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

挿入図#11
:階層性
質問:細胞は体の基本単位である(最重要課題)。では細胞そのものは何をしている?と思いますか。思いつくまま平易な表現で個条書きにしてみよう(面白いユニークなことでもOKです)
1)_________________
2)_________________
3)_________________
4)_________________
5)_________________

2.細胞生理機能の考え方 (Z軸.機能の基本)

演習4で示したように器官系は特有の役割/働きを示しす(示していた)。それでは、例えば、細胞でも同様であると想定し、器官系の役割に対応させ、細胞は 「・・・・」をしている、という様式考えてみよう。下記を表記してみよう(演習4を参照)

器官系
区分
器官系(その役割)に対応させた「細胞の働き」を考えてみよう
 (その場合の細胞生理に関わるキーワード も列記してみよう)
1. 外皮系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
2. 消化系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
3. 呼吸系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
4. 循環系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
5. 泌尿系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
6. 生殖系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
7. 感覚系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
8. 神経系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
9. 筋系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
10.骨格系  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________
11.内分泌  細胞は 「・・・・・」をしている
:_________________

参考資料:細胞機能に関わるキーワード 〔#58)

下記は細胞生理機能に関わるキーワードである。また、上記の「細胞は・・・をしている」に関連したキーワードである。教科書などではどのような扱いか、調べてみよう。

   仕分けの基準:細胞構造に関わるキーワード
(下の括弧枠には教科書・図説集から用語を記述する)
教科書
の単元
項目
器官系
の対応
区分
頁と図番号など
1  細胞膜、脂質2重層、
 流動モザイク、多機能性
( __________)
   
2  低分子の膜輸送
:能動/受動/共同/浸透,
 チャンネル
( __________)
   
3  解糖/TCA/電子伝達系・ ATP合成:内呼吸
( __________)
   
4  物質代謝系
(糖/アミノ酸/脂質/核酸)
( __________)
   
5  修飾/分泌/分解、小胞体輸送
( __________)
   
6  遺伝子DNA複製、
 分裂増殖、細胞周期
( __________)
   
7  受容体(レセプター)
( __________)
   
8  リン酸化酵素、
 2ndメッセンジャー、
( __________)
   
9  細胞骨格(アクチン線維
 /微小管/中間径線維)
( __________)
   
10  遺伝子発現
(DNA→RNA→蛋白)、
( __________)
   

ワークシート(実験学習)E-2は以上

生きているとは、外部状況との対応に基づき自律的・基本的プロセスとその経験値を大切にすること。肉体労働と共有命題を大切にすること。
終わりです。今日はありがとう。

・・・・・・・・・・・・・・・

 <終わりのメッセージ>

知らないことは分からない。 
  分かってしまえば当たり前。

何かが気になる当たり前。 
  気になることはどうしよう。

気になることは無視しよう。 
  気になることは大切にしよう。

さて君はどうしよう。 
 なに・なぜ・どうして・どのようにして。

 きっと共有命題が助けてくれる。 
  生きているからそう思いたい。

   きっと経験値が窓を開くはず。

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W. 補足資料
:本編に関わるPDF資料
(ワークシート、発表論文など)。

1)本編で用いた実践ワークシート(A-E)、

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本編は以上で終わりです。
下記(Fig37〜)は実践講義に用いる補足図一覧


<個体生物学の学習前提>

羽曽部オリジナルの学習内容構成原理

2 2 2
画像クリックで拡大:左 Fig.37  中 Fig.38  右 Fig.39 )

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画像クリックで拡大:左 Fig.40  中 Fig.41  右 Fig.42 ) 
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画像クリックで拡大:左 Fig.43  中 Fig.44  右 Fig.45 ) 
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画像クリックで拡大:左 Fig.46  中 Fig.47  右 Fig.48) 
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画像クリックで拡大:左 Fig.49  中 Fig.50  右 Fig.51) 
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画像クリックで拡大:左 Fig.52  中 Fig.53  右 Fig.54) 
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画像クリックで拡大:左 Fig.55  中 Fig.56  右 Fig.57) 
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画像クリックで拡大:左 Fig.58  中 Fig.59  右 Fig.60) 
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Bio-MTXは終わり