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< 体の基本10項目-俯瞰図 :序論 >
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<目次>
 *. 序文
 A. 動物体の原型
 B. 器官系区分と順列
 C. 体腔管腔-その壁面
 D. 細胞の基本的性質:足場依存性と細胞シート
 E. シート構造と極性:上皮組織とオモテ/ウラ
 F. 4大組織と由来:シート構造の変化
 G. 細胞の基本構造
 H. 細胞内機能と順列
 I. 遺伝の基本
 J. 体形の差異:骨格系


<俯瞰図:体の基本>

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(画像をクリック: 左 Fig0   中 Fig00   右 Fig000) 
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<*. 序文>

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(画像をクリック: 左 Fig1   中 Fig2   右 Fig3 )
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  (画像をクリック: 左 Fig4   中 Fig5   右 Fig6 )
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背景:動物体は現実・実体であり複雑系である。一義一元的な取扱いには馴染まない。科学はその成り立ちを明確に説明するため、それ故、数多くの領域区分を構築した。それら学習単元は明快な枠組みであるが、時にそれぞれの繋がりが不明になることも少なくない。

目的:本編では、動物体の成り立ちを「体の基本」として取り扱う。キーワードや主要な項目をピックアップし、起点とする。連続性ある概念化を図り、その様態を考える。古典的な考え方を導入するため、疑問も残るが、それでも「考える視点」は確かにある、を今一度確かめる。

生物学・生命科学・科学技術とは? 
 生物学は一面「図説解説/用語項目/箇条書き」式でもあり、暗記ものと思っている人も多い。では生物学・生命科学とは何なのか。取りあえずの説明であるが、生物学とは、物言わぬ自然物の成り立ちを分かりやすく通訳/翻訳/代弁すること・その「訳」を利用すること、と考えても差し支えはない。分かりやすいことが重要。
 論理性や合理性に乏しく思えるのは「経験科学」の側面に強く拘束されるため。つまり、自分自身で確かめたことのない事でも「そう決まっている」と信じて進める方が無難(無視して進むのは苦労が多過ぎる)、という観点である。まるで探検隊のような学問である。よって、重要な事項はできるだけ「論理的な枠組み」に支持されていると都合が良い。クラシックが大切。


<A. 動物体の原型>

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(画像をクリック: 左 Fig7  中 Fig8  右 Fig9 )
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いろいろな形の動物/脊椎動物がいる:動物体の原型(体内俯瞰)
多様な形態を示す動物体であるが画一的な視点も可能。ヘッケルやローマーが示した「収束した動物体」に基づく考え方。本節では体内構造を俯瞰する。
1)ローマーが描いた脊椎動物の原型
:体の中身(器官/臓器)の概要を確認する。
2)管状構造に基づく動物体の描き方
:経験科学の理解はプロセス重視が効果的である。左図の連続スライド/塗り絵を通じて体内構造の概要を理解する。
3)補足:「立ち上がったサカナ」でも考える。

4)キーワード
多様性と画一性、ヘッケル、ローマー、脊椎動物の原型、咽頭胚、体部・体軸・体断面、環状構造と動物体、器官・臓器、器官系(消化系、泌尿系、循環系、呼吸系、神経系、感覚系、外皮系、骨格系、筋肉系、生殖系、内分泌系)、排出系
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
消化系:口腔・食道・胃・腸・直腸・肝臓・胆嚢・膵臓、泌尿系:腎臓・膀胱・尿管、循環系:心臓・血管・脾臓・胸腺・など、呼吸系:肺/鰓、神経系:脳・脊髄・末梢神経、感覚系:眼球・鼻・三半規管・味蕾、など、外皮系:皮膚、骨格系:硬骨・軟骨・など、筋肉系:内臓筋・骨格筋、生殖系:精巣・卵巣、内分泌系:脳下垂体・甲状腺・膵島・副腎・など


<B. 器官系区分と順列>

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(画像をクリック: 左 Fig10   中 Fig11   右 Fig12 )
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「体の成り立ち」を考える時、その階層性を意識することは何かと都合がよい。個体-器官系-器官-組織-細胞-細胞小器官-分子、という順列である。
 [A]では体内の主な器官臓器を確認したが、それら器官はその役割から器官系として10あるいは11に区分されている。本節では、それらを古典的な観点(多くが認める大切な考え方)から考える。
 科学を特徴付ける事項:
  1)客観性、2)論理性、3)実証性(再現性)、
    4)予測性、5)数量性、6)知識累積性、など。
 科学は「物事」を明快に説明する。では、例えば「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか」。このテーマを考察するため「器官系11区分とその順列」を考える。 一般的に器官系の名称は下記(順不同)であり、それぞれには合目的的な役割と繋がりがある。この観点から「合理的な連続性」として示したい。どうすれば良いか?
A.泌尿器系 B.循環器系 C.外皮系 D.筋肉系E.呼吸器系 F.消化器系 G.感覚器系 H.骨格系 I .神経系 J.生殖器系 K.内分泌器系 (補足:排出系=泌尿器系+生殖器系)

1)Aで確認した体内構造をイメージし、動物生理の古典的な考え方を当てはめる。つまり「2系6要素+α」として取扱う。
2)現実実体は複雑系であり一義的な取扱いには馴染まないが、それでも考える視点は必要である。器官系区分を順列と配置表として扱ってみる。
3)結果的に、共有命題「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか?」という問いに対する対応事例を示す。

4)キーワード
科学、器官と器官系、器官系11区分の順列、背側・腹側、2系6要素+α、古典的
 臓性系・植物性器官:受容・伝達・実施、体性系・動物性器官:吸収・運搬・排出、動的平衡、恒常性、内部調整

外皮系、消化系、呼吸系、循環系、泌尿系、生殖系、内分泌系、感覚系、神経系、筋肉系、骨格系、


<C. 体腔管腔-その壁面 >

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(画像をクリック: 左 Fig13   中 Fig14   右 Fig15 )
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 [A]で確認したように体内には種々の器官や臓器がある。それらの所在は主に空所(体腔内)であり、図では「胸腔、腹腔、囲心腔」である。 その他にも外界に繋がる口腔や、脳を納める頭蓋腔もある。
 体内の腔所は上記のような体腔に加え、臓器の中にも通路のような管腔系がある。血管内も腔所/管腔と考えると、例えば体内には「通路・トンネル・ドーム」がある、というイメージになる。
 本節はそれら「体腔管腔-その壁面」を考える。通常は無視しがちな空所だが「無の隣には有がある」の視点で体内構造を考察する。つまり、体腔や管腔と種々な臓器の接点はその境界面/壁面にあり、その壁面(内腔面)は一筋の切れ目がない繋がりを示す。臓器の形状とはその表面/壁面が成す形である。なお、詳細は後述とするが、それら「壁面」とは細胞が平面的に配列した細胞層のことであり、専門では上皮組織と呼ぶ。

1)右図をモデルに、体内の空所「体腔」と主要な「管腔」を考える。更に、空所の「壁」を描いてみる。:連続スライドでプロセスから「描く/考える」。
2)頭尾軸横断面「体の輪切り」で描けば、より立体的なイメージに繋がるはず。試してみよう。
3)ちなみに、体腔や管腔の内壁面や外界に面した表皮とは細胞が平面的に配列した「面/層」である。詳細は[D/E]。

4)キーワード
主要臓器の所在、体の腔所、臓器の表面、臓器の内面、繋がり、体腔・管腔、内壁面、内腔面、通路・トンネル・ドーム、腹腔、胸腔、心腔、頭蓋腔、腸管、血管、導管、上皮・中皮・内皮、漿膜(しょうまく)、腸管膜、細胞層、上皮組織、細胞シート、迷路の歩き方、


<D. 細胞の基本的性質:足場依存性と細胞シート >

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(画像をクリック: 左 Fig16  中 Fig17  右 Fig18 )
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 細胞は体の基本単位であり、体は「細胞と細胞が生む出す細胞間物質」からできている。体内には数百種類の細胞があるが、赤血球などの血球系細胞を除き、ほぼ全ての細胞は足場となる基質 (細胞外マトリックス ECM・基底膜)に接着結合する(して生きる)。細胞は、更に互いに隙間無く敷石状に平面的な配列を示す。この現象は一部例外もあるが実験的にも確認することができる。
 つまり、動物細胞の基本的な性質とは「足場依存性」であり、更に「細胞シートの形成」である。この観点は極めて重要であり、体の成り立ちの理解には必須である。
 基本単位「細胞」の形態に対する意義は、一義的には、「点」を成す接着細胞,「面」となる細胞シート,「立体」を成す胞状の細胞シート(切れ目のない細胞シート)の形成とその連続性にある。単位の性質に基づく形態形成は、よって、 [C]で概説した体腔管腔の壁面のみならず、肝臓のような複雑系や個体発生/形態形成においても成立する。(肝臓や発生の詳細は別項で扱う。)

1)細胞の基本的性質「足場依存性と細胞シートの形成」を理解するため、細胞と接着基質の関係や様態を模式図として確認する。
2)細胞の基本的性質を実験的に確認する。例えば、多細胞動物の細胞は「培養細胞」として人為的な管理が可能であり、その培養技術と培養細胞の様態は上記の性質を反映する。反して、足場非依存性の原核細胞(細菌など)は異なる様式・様態を示す。
3)動物培養細胞による形態形成に関する基礎実験「通称 お絵描き実験」は細胞の基本的な性質に基づく迅速簡便な検証実験である。「生きてる細胞をシャーレに入れるとどうなるか?」
に対する対応事例である。

4)キーワード
基本単位、細胞と細胞間物質、足場依存性、基質、接着基質、基底膜、細胞外マトリックス ECM、インテグリン、接着結合、細胞シートの形成、単層細胞、接着・伸展・移動・配列、点・面・立体、胞状細胞シート、培養細胞、細胞培養技術、技術と物性、多細胞生物と単細胞生物
基質/マトリックスとは「何かを生み出すところ」


<E. シート構造と極性:上皮組織とオモテ/ウラ>

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(画像をクリック: 左 Fig19   中 Fig20   右 Fig21 )
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 肉眼的に認知する臓器の表面や内腔面はDで概説したように細胞が配列した細胞シートである。専門的には上皮組織  Epithelial Tissue と呼ばれる。オモテ側/上側の細胞層の意味であり、体表や管腔の壁面に相当する層のことである。よって、上皮組織あるいはその足場(接着基質)となる基底膜を基準とすると、体内構造には細胞レベルから明瞭な区分と方向性「オモテ up-side・ウラ back-side」を与えることができる。
 上皮組織は下図のように多様に見えるが、基本的には単層(細胞A)であり、重層細胞(B)が位置するところは傷つきやすいところ (皮膚、口腔、食道、直腸など) のみである。細胞シートからなる上皮はよって脆弱であり、多くの場合、その直下にはその裏打ち構造としてフェルト状の結合組織(主成分はコラーゲン線維)が位置する、と考える。体内には3種類の上皮組織(細胞シート)がある。1)上皮:外界から繋がる通路の壁。2)中皮:体腔内の壁(体腔内臓器の表面や腸管膜などに繋がる)。3)内皮:血管内壁を成す細胞シート。

1)下図を用いて上皮組織の種類と機能の関係を確認する。
2)細胞シートの観点に基づき、右図を用いて体内構造のオモテ側とウラ側を確認する。
細胞シートの基本的な性質である。緑の部分はどうなっているか?
3)マクロ組織「迷路の歩き方」:通路/トンネル/ドームは体中に張り巡らされた迷路であるが、その壁に従えば迷うことなく一巡できるはず。

4)キーワード
体腔管腔の内壁面、細胞シート、足場依存性、基質・基底膜、細胞外マトリックス(ECM)、インテグリン、コラーゲン、接着結合、単層細胞、上皮組織と3様態、機能形態、細胞シート・上皮組織、オモテ側・ウラ側、管腔内、結合組織、線維性結合組織、迷路の歩き方


<F. 4大組織と由来:シート構造の変化>

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(画像をクリック: 左 Fig22   中 Fig23   右 Fig24 )
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 体あるいは臓器は [E]で概説した上皮組織 (オモテ側の細胞層) に加え、結合・神経・筋の4区分「4大組織」から構成されている(と組織学は教える)。上皮組織はオモテ側であるが、他はウラ側に位置する。いづれの組織もその始まりは一粒の細胞/受精卵にあり、特徴的な発生ステージを通過する。これはシート構造の変化でもある。例えば、神経組織の起点を神経管すれば、それは細胞シートであり「神経上皮」とも呼ばれる。
 つまり、組織の理解には個体発生の経緯(組織の由来)も必要である。胚葉性を換言すれば「所在」の根拠であり、シート構造と脱シート/再シート化、分化でもある。
 神経組織・筋組織と云えばその名の通りでイメージしやすいが、結合組織(あるいは時に支持組織)の場合は戸惑いも生じる。ウラ世界の「結合組織」は上皮、神経、筋組織以外と考えるが、その理解の要は「中胚葉性の細胞と物質」であり、その主な項目を確認する。

1)4大組織の概要と結合組織の構成について考える。腸管断面などをイメージし「組織の基本概念図」を上皮組織との関係から描き考察する。
2)結合組織の成り立ち、特に中胚葉に由来する結合組織の細胞と物質について考察する。
3)器官、組織、胚葉の相互関係を考える。
4)神経細胞/組織の理解には内分泌細胞つまりパラニューロンと後述の[G:細胞構造]の視点が必要であるので、やはり後述とする。筋組織については組織学の場とする。

5)キーワード
4大組織:上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織、胚葉性と所在、外胚葉・内胚葉・中胚葉、細胞と細胞間物質、中胚葉性の細胞と物質、繊維性結合組織、シート化 - 脱シート化 - 再シート化 - 分化・派生、支持組織:supporting tissue?
・・・・・・・
結合組織を構成する中胚葉性の細胞/物質
1.線維芽細胞とコラーゲン繊維や弾性繊維、2.脂肪細胞、3.肥満細胞、4.骨細胞と基質、5.軟骨細胞と基質、6.血球系細胞と物質、7.細網組織


< G. 細胞の基本構造>

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(画像をクリック: 左 Fig25   中 Fig26  右 Fig27 )
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 動物細胞の内部構造は細胞小器官として扱われる。つまり、[B]の器官系(区分)と同義であり「装置や部品」の配置と繋がりである。細胞の模式図には球形や四角形(A)などいろいろあるが、足場依存性から考えれば、球状とは非接着状態を表す。体のつくりは細胞シートを基本としたが、細胞は膜系シート(D)を基本とする。
 なお、細胞の形態は神経細胞なども含めると一様ではないが、それでも装置部品の意味から考察すると統一的な見方も可能である:内分泌細胞・パラニューロンの観点(細胞の極性と構造)から考える。
 細胞構造は形態と機能であり、取りあえず、下記のような装置部品と考え、必要部品のはめ込み作業 (連続スライド形式)で対応してみる(プロセスによる理解)。

<細胞構造:装置部品>  
 1) 膜系構造体:細胞膜、核膜、小胞体膜
 2) 核内装置:染色質、核小体、クロマチン
 3) 細胞接着装置:デスモゾーム、半デスモゾーム
 4) 細胞骨格:アクチン繊維、微小管、中間径線維
 5) ATP合成装置:ミトコンドリア
 6) 蛋白合成装置:粗面小胞体、遊離リボゾーム
 7) 脂質合成装置:滑面小胞体
 8) 修飾包装装置:ゴルジ装置
 9) 分解排出装置:ライソソーム、小胞体
10)分裂装置:中心小体、紡錘糸、収縮環
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1)細胞の基本構造(右図)を部品の組立として連続スライドで確認する。
2)模式化「細胞くん」を描き考える。
3)細胞骨格を確認する。
4)細胞の由来を考える:共生進化
5)細胞くんと神経細胞の類似性:外分泌/内分泌細胞、パラニューロン、神経細胞の関係を考える。

6)キーワード
細胞の内部構造、細胞小器官、装置・部品、膜系構造体、細胞くん、共生進化、外分泌・内分泌細胞、パラニューロン、神経細胞
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
膜系構造体 (細胞膜、核膜、小胞体膜)、核内構造物 (染色質、核小体、クロマチン)、細胞接着装置 (デスモゾーム、半デスモゾーム)、細胞骨格 (アクチン繊維、微小管、中間径線維)、ATP合成装置 (ミトコンドリア)、蛋白合成装置 (粗面小胞体、遊離リボゾーム)、脂質合成装置(滑面小胞体)、修飾包装装置 (ゴルジ装置)、分解排出装置 (ライソソーム、小胞体)、細胞分裂装置 (中心小体、紡錘糸、収縮環)


<H. 細胞内機能と順列 >

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(画像をクリック: 左 Fig28   中 Fig29   右 Fig30 )
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 細胞は体の基本単位であり、ともかく重要である。では細胞そのものは何をしているのか。「一概には云えない」となるが、本編ではこれまで同様に取り扱う。
 例えば、体の成り立ち「器官系11区分と順列」は古典的ではあるが重要な概念であり、生物学のABCに相当する。そこで、本節「細胞内機能と順列」にもこの観点を導入する。生物学の基本はどの程度有効か?
 ちなみに、専門的には世界的な教科書「細胞の分子生物学」が示すところに従った考え方が基準であろう。

細胞の分子生物学:5部/全25章/1595頁
 第1部 細胞とは(129頁)、第2部 遺伝の基本(246頁)、
 第3部 研究手法(81頁)、
 第4部 細胞の内部構造(480頁)、第5部 細胞のつくる社会(360頁)

 例えば、器官系11区分[B]をイメージし、その働きに相当する細胞内機能を表の右欄に平易な表現としてみよう。
 左記[H2]の記述や順列は、下記の目次構成(抜粋)とどの程度の相違かを考える。この観点から細胞内機能を「配置表」として扱ってみよう。

1)キーワード
細胞機能と生理、細胞の内部構造、細胞小器官、 Internal Organization of the Cell、形態と機能、装置・部品、細胞の分子生物学、器官系区分と順列、生物学のABC、
・・・・・・・・・・・・・

雑記:細胞が示す生理機能は現実・実体であり、驚くほど多義にわたる。しかしそれでも、その視点は何故か器官系区分とその順列に類似する。The Cell が示すように優れた科学者の考察は「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか」の説明と同系列であると思うと安堵する。疑問は常に続くが「基本」の視点も悪くない、と思う。


<I. 遺伝の基本 >

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(画像をクリック: 左 Fig31   中 Fig32   右 Fig33 )
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本節 [ I. 遺伝の基本] はこれまでと少し趣が異なる対象なので、その考察は解説・コメントのみとする。
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・・・・・
 日本語の「遺伝」という用語のニュアンスは少し複雑であるが、英語では幾つかの用語を選択することができる。例えば下記のような具合である。

遺伝/遺伝の
 1) 遺伝 inheritance インヘリテンス (継承の意味)
  (遺伝の法則 The law of inheritance)
 2) 遺伝 heredity ヒレディティ  (現象の観点)
 3) 遺伝の genetic ジェネティク(遺伝子の)
  (語源は genet 「発生」に由来)
一般的:inheritance>heredity>genetic:専門的
・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・・・・・
遺伝学 genetics ジェネティックス
遺伝子 gene ジィーン

本節では「遺伝の基本」を取り上げた。その由来は[G]で扱った「細胞の分子生物学」第2部の表題であり、下記のような章立てとなっている。
 2部 遺伝の基本: Basic Genetic Mechanisms の構成
  4章. DNAと染色体
  5章. DNAの複製, 修復, 組み替え
  6章. ゲノム情報の読み取り(DNAからタンパク質)
  7章. 遺伝子発現の調節
 世界的な教科書「細胞の分子生物学 :別名 The Cell」の波及効果は本邦においても少なくない。第2部表題は「遺伝の基本」であるが、原本では [Basic Genetic Mechanism] である。邦訳が「基本的な遺伝の仕組み」でなく「遺伝の基本」であることに違和感はない。しかし、なぜ上記の章立ては「遺伝の基本」なのか。

 例えば、「基本形態」と「形態の基本」ではその意味合いはかなり異なる。視点の設定において「・・の基本」は不可欠であるが、そのような表現を用いることは少ないようにも思える。
 ところで、項目「I. 遺伝の基本」の意味するところであるが、細菌なども含め「生命活動の根源的な仕組み」としたい。セントラルドグマなどの意味するところであり、左記の教科書 The Cell と同じであると思う。
 本邦で「遺伝」と言えば、例えばメンデル遺伝といったイメージも含むため、一般に「遺伝の基本」は「遺伝のしくみ・遺伝子の働き」といった枠組みで取り扱う傾向にあるが、「生きている」をイメージさせる「遺伝の基本」という用語とその枠組みも価値あるように思う。
 なお「遺伝の基本」の解説は以上であり、具体的な学習は「The Cell」などを参照、とする。

1)キーワード
生命活動、遺伝、 Inheritance、Heredity、Genetic、 Genetics、Genome、 Gene、 DNA、細胞の分子生物学(The Cell)、 Basic Genetic Mechanisms、遺伝の仕組み、DNAと染色体、DNAの複製, 修復, 組み替え、 ゲノム情報の読み取り(DNAからタンパク質)、 遺伝子発現の調節, セントラルドグマ、


<J. 体形の差異:骨格系>

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(画像をクリック: 左 Fig34   中 Fig35   右 Fig36 )
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 脊椎動物(脊索動物門)は様々な体形であるが、その基本は頭部・胴部・尾部であり体節分節構造にある。ホメオティック遺伝子や咽頭胚に由来するが、その大きな違いは「頸と四肢」にある、としよう。しかし、直接的/直感的には骨格系であり、例えば、ヒトやサカナの肩の骨はどこへ繋がっているか、などを考える。
 サカナの胸鰭は前肢に相当し、その肩帯は頭蓋後部に関節する。例えば自分の頭を両手で固定したような感じである。よって頸は廻らない。上陸すると鰓蓋咽喉骨系は不要となり、肩帯は中軸骨格へ移る。心臓は発生初期には頭部に形成されるが、頸形成にともない胸部へ移動する。心臓はよってサカナも含めどれでも前肢の付け根中央にある。事の始まりは上陸にともなう鰓蓋咽喉系骨格の消失と肩帯の変化と思うが、その意味からサカナの骨の理解はたいへん面白く、また重要である。それで「骨パズル」。

1)サカナの骨格系、特に頭部を確かめる。
2)かなめの骨:舌顎骨(アブミ骨)を確かめる。
3)鰓弓/咽頭弓の派生物を考える。
4)骨パズルの作り方を確かめる。

5)キーワード
頭部・胴部・尾部、 体節分節構造、咽頭胚、骨格系、四肢・肩帯、頭部骨格、神経頭蓋、内臓頭蓋、鰓蓋咽喉骨系、舌顎骨(アブミ骨)、鎖骨、鰓弓派生物、心臓、形態と環境、骨パズル、

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(画像をクリック: 左 Fig37   中 Fig38   右 Fig39 ) 
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(画像をクリック: 左 Fig40   中 Fig41   右 Fig42 ) 
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(画像をクリック: 左 Fig43   中 Fig44   右 Fig45 ) 
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(画像をクリック: 左 Fig46   中 Fig47   右 Fig48) 
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(画像をクリック: 左 Fig49  右 Fig50) 
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