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ミジンコ探求:命題一覧

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ミジンコ探求コンテスト水生物環境保全

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<1. はじめに/序文>・・の続き/補完

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<2. 実験検証の部>

Q1. 探求の話:その枠組みとは?

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Q2. 視覚の話

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Q3. 食性の話

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Q4. 水質の話

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Q5. 体調の話

解説/・・の続き/補完

ミジンコも体調が良ければ健康にかつ順調に成長するはず。しかし、それは生育環境に依存したことなので、それでここでは飼育実験の状況から「体調管理や評価の指標」となることを列記してみる。なお、一般的に言えば「食が進むね・体調が良いね!」であるが、ミジンコの場合はそれを指標にすることは難しいので困ってしまう(下記参照)。

  1. やっと肉眼視できる小さなサイズの個体を飼育すると10日くらいで3-4mmサイズになる。多分、オオミジンコは4-5回くらい脱皮を繰り返し成長しているのであろう。つまり、大小4区分サイズの個体が分布している飼育環境/条件は適切ということになる。
  2. なお、その脱皮した半透明の殻は水底に沈下するのでその状態確認も指標/評価の一つであろう。その場合、今日も体調が良いぜってミジンコが言ってる、かな? ちなみに、無給餌/絶食状態?で飼育しても1週間程度なら死滅することはない。
  3. 順調に飼育できていると中型サイズなどの背中には卵を数個背負っている個体が少なからずいる、ということも指標になると思う。餌条件や水質が不適切だと抱卵?個体の数が少ない。ちなみに、ミジンコは無作為に水中の微細な浮遊物(好ましくはエサ)を継続的に取り込む/食べているので、抱卵個体数とは水質依存ということにもなる。
  4. 「そら豆」のような休眠卵/耐久卵を背負った個体がかなり数多くいる場合は注意信号ということらしい。しかし、健康に飼育していても2匹が接合している、あるいは、休眠卵を背負っている場合が散見される。それでいまのところは、休眠卵が生じる条件についての言及はできない(今後の検討課題)。
  5. 2匹が接合した遊泳もあるが、ミジンコの行動様式は光依存遊泳とフリフリ羽ばたき摂餌遊泳だけ?であるため、ゴミのような浮遊物が体に付着している個体がいる場合は「水質が悪化している」と考える。最悪状態にならないため処置が必要であるが、それで、水槽容器の壁面清掃の時には特に注意が必要である。
    なお、個体のサイズ分布がある日突然変化した、例えば、小さな個体数がいなくなった、というような場合はその例であると思っている。
    ちなみに、俗に言う「ミジンコの突然消滅現象」とはゴミのようなヌメヌメした水中浮遊物による行動阻害現象(遊泳腕や口部にヌメヌメが付着しフリフリ運動ができず溺れ死んでしまう状況)ではないかと思う。どうであろ?
  6. 同様に「Q.6 天敵」も重要であるが、人工飼育の場合、天敵に遭遇するかどうかは管理者の配慮や計画性次第、と言うより、不測の事態は常にあるので、観察の時には「要素の配置とその繋がりの確認」を意識するようにしたいものである。

以上に基づきミジンコ健康管理手帳ができると何かと都合が良い、というのはどうであろう。

補足:いわゆる水回りに生じる「ぬるぬる/ヌメヌメ」とはバクテリアなどが増殖する時に分泌する粘液物資なので不衛生的です。それで注意して下さい。

以上でQ.5の解説はおわり。

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Q6. 天敵の話

解説/・・の続き/補完

<天敵「ヒドラ退治の話」プラス>

ヒドラを発見した時は本当にビックリした。1週間くらい観察していなかった水槽を見たら数多くいたミジンコがほとんどいない。最初は「これが突然消滅の現象か」と思った・戸惑った:なに・なぜ・どうして・そのようにして:それ本当?を十分に味わったが、よく見るとヒドラがいた。ウジャウジャいたわけではないが、そこには確かにかなりいた。

なお、その後に確認実験を行なった。つまり、刺胞動物のヒドラは、素早く動くミジンコでも、そのいわゆる毒針/何本もある触手を有効に使い/振り回し、辺り構わず効率的に接触するミジンコを攻撃する/捕獲する/消滅させていた。百聞は一見に如かず・見ると聞くとじゃ大違い・驚くべき能力である/ともかくすごい!!

それで気になるのがその撃退法であるが、スポイトなどで取り除いても限界がある。ちぎれ残った分身が再生するのでプンプンになる。普通に言えば、注意深く「ミジンコのお引越し」が適切かもしれない・・・。

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ここでは「天敵の話」としたが、しかしそもそも、自然ではそれもミジンコを取り巻く生態系(の一部)なのかもしれない。我々は「天敵とかミスマッチ」と聞くとなぜか敏感に反応してしまうが、それなら「食物連鎖の話」とすればなんとなく本稿の趣旨にも合致する。少し心が落ち着くが、しかし、手っ取り早くは「天敵には天敵で」かな!

それでともかく実践検証。ということで観賞魚用の巻貝「ヒラ巻貝?」をヒドラがいる少し汚そうな飼育槽に入れてみた。ヒラ巻貝は水槽壁に付着増殖する藻類などを舐めるように食べるが、結果的に/長期検証の結果、効果なしとする(以前の記述は訂正します/戸惑いを与えたと思うのでお詫びします)。それでその後、モエビなども試したがそれも無効。メダカではヒドラ以前にミジンコを食べてしまう。

とうことで、水質実験の折に試したミジンコへの影響「塩分/NaCl耐性」を利用し、ヒドラと塩水濃度の関係を試した。つまり、飽和食塩水(約26%)をヒドラのいる水槽に少しづつ加え、最終濃度を0.5%とした(この濃度ではミジンコは元気)。観察するとヒドラは点状に縮小し死滅?。その0.5%塩水状態を数時間維持した後、飼育水(脱塩素水/ハイポ処理水)を数回に加え、換水しながら、塩分を最低限?とした。その翌日以降、観察を続けた結果、ヒドラの再生は見られなかった。 ヒドラ退治は完了/完成/以上である。

余談:1)ヒドラは壁面などに接着生育だけでなく水面に漂う浮遊状態も散見された。巻貝の背中に接着し移動もする個体もいた。2)ヒドラをスポイトなどで吸い取る時、ヒドラに気づかれると、あるいは接触すると、ヒドラは小さく縮まり壁面に強く接着するので、吸い取るに苦労するよ。

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話は少し飛躍するが、ミジンコがいる水田にはタニシがいる。タニシは沈殿した有機物などを摂取し生態系の一次栄養素を供給する有益動物である(現在の田んぼにも沢山いるのかな?)。なお、タニシは田主/タヌシとも呼ばれていたみたい。また、そのタヌシ/タニシがいる水田は生産量が上がるというITN情報にも遭遇した(山形大学農学部の佐藤智先生に感謝です)。

ヒドラ退治として巻貝/ヒラ巻貝の効果は今回の結果から疑わしいが、ミジンコ飼育の最強最大の天敵は水質「ヌメヌメ有機物」であると思っている。つまり、有機物を含む水は経時的に腐敗し、つまり、バクテリアの増殖などにより飼育水槽の壁面や底面にはヌメヌメした粘性物質(天敵)が生じる。その結果、小さなヌメヌメが浮遊する。それをフリフリ運動で巻き込んだミジンコは遊泳運動が阻害される/を止める/死滅する。ミジンコ水槽の巻貝はそのヌメヌメを摂取する。従って、水槽壁面の綺麗が続く。キュキュっとが続く。きっとタヌシも水質浄化作用の旗頭として活躍してるのかもしれない。なお、巻貝も沈下性/固形のウンチを排泄するのでその処理には工夫が必要である。多分、ミジンコ水槽装置の課題かな?

補足(巻貝の集め方):巻貝はクロレラ錠剤を水槽に入れるとその匂いを頼りに素早く集まってくるので半日後には捕獲が容易(クロレラ錠剤の代わりはスルメの小片も有りかな!)。

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ここでは以上のような概要のみを書いたが、天敵転じて自然生態系や食物連鎖を考える扉が開いたような気がする。一次栄養素に基づくサイズ依存の食物連鎖を考えることはとっても大切なのかもしれない。

時には自然に生きるミジンコを思い浮かべ、その生態系を食物連鎖や天敵の観点から考えてみることはとっても大切な気がしている。つまり、その構造(要素の配置とその繋がり・要素間の繋がりは役割の起点を示すはず)の考察・探求である。

例えば、ミジンコ水槽にエビを入れたらどうなるかなども興味深いが、それと同時に、ミジンコや巻貝が好む「水質」とはどうあるべきかを考えてしまう。 学習インテリアのためにはそのことがキーポイントであろう/かもしれない。

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<3. 実験の部:材料と方法の詳細>

・・の続き/補完

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続きと補完は待機中:あいうえお、かきくけこ

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<4. 終わりに/まとめ.>

・・の続き/補完

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・・下記が「続き」です・・・・・・・・

富士山が綺麗に見える海辺暮らしのついでに水辺を眺めて思うことは、ともかく水の透明度が驚くほどよい。水の中がよく見える。しかし、春先の水辺にもかかわらず生き物の少なさには戸惑いを隠せない。探し方が素人なためもあるがカニもフナムシもサカナもいない。合わせて磯焼けだ!ということらしい。それでアイゴを食べようとかウニを駆除しているっていう話を聞く。でも、ウニの天敵はヒトデなどと思うがそのヒトデもタコもこの辺の海辺では激減しているらしい。

ことほど左様に複雑である。枝縄だらけで一筋縄には進まないが、ことの始まりは?と考えてしまう。それで例えば、短絡的に主縄の3要素を考えてみるも大切かな?って思った。

ちなみに、陸を見るとやはり自然が美しいが、春先に野菜畑にモンシロチョウを見ることはまずない。ある人が言って来た「まるで沈黙の春ですね」って。

なお、海は里山や流入河川と繋がっているのがそもそもの自然なので、この海岸域1kmくらいの古い地図を見たら昔は7本?の小川が海に流れ込んでいた。しかし今はインフラ/国道があるためその小川は2本しか残っていない。しかも、砂浜は消滅ぎみで毎年夏前に大量の砂利敷設による養浜を行なっている。泉鏡花が見た風景とはずいぶん違うのだろうって思ってしまう。社会インフラ無くして我々は生きていけないが、しかしそれでも少しは考えてみたいと思った。

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自然は疲弊しているって思ってもその手立ては難しい。それでミジンコ実験のついでにそのことも考えた。つまり、陸水学と海辺の関係であろう。でも、いつの間にか「陸水/陸水学」という用語が死語/消滅してはいないか不安であるが、

そのキーワードとして思ったことは、

1)マーチン博士の鉄理論、2森は海の恋人、3)有機酸鉄(フルボ酸鉄)、 4)プランクトン、5)生物生産効率、それから、6)コスト である (その他:鉄バクテリア、高師小僧、豊葦原の国、タンニン酸鉄、など)。

つまり、自然は鉄循環に大きく依存しているが、また、条件さえ整えば自然は驚異的な生産性を示す。例えば、陸水/水田には有機酸鉄がたくさんあるはずと思うが、試しに流入している/していない水田の微生物やプランクトンの生産性はどのように変化するのであろう。その栄養強化陸水は海辺の生物相にプラスになるのであろうか、というような空想に行き着くが、それも構造(要素の配置とその繋がり・要素間の繋がりは役割の起点を示す)の課題であるのでそれはそれで興味深い。

ところで何事も投資/消費/浪費の3択であり、同時に衛生的かどうかが問われるが、この場合は、プランクトンなどが大増殖すると不衛生状態になるので考えものである。しかし、ミジンコなどはより小さな微生物やプランクトンを休まずフリフリ泳ぎ続け、時には渦を作り、その羽ばたき行動によりそれらを体内に取り込む、つまり、食べている。今回のミジンコ実験では薄く濁った菌液水なら一晩で透明になるので、二枚貝の話と同様にその水質浄化能力はとても高いのではないかと思ってしまう。また、ミジンコ飼育水は放置状態でも臭くならないこともポイントである。 衛生状態を担保してフリフリ頑張っているような気がする。きっと、自然界でもミジンコはキーブロックの役割を担っているのではないかと根拠のない想像をしてしまう。 

しかし、自然現象で言えば、想像ではなく、例えば、冷たい海水の南極オキアミやオホーツク海流氷に起因するプランクトンの爆増などはその例ではないかと思っているがどうであろう。

なお、小川であっても現在ではほとんどが3面張り状態なので、それらの河川水の浄化作用を担う生物生産は悲しいほどに難しいが、それでも無垢のコンクリートだけではない。小さな淵や植生の見られる場所も散在する。適切適当な場所/区域での処置処理ならそれはそれで機能するような気がする。なお、褐鉄鉱と炭素/炭の混合タブレット(いわゆる鉄炭団子)は陸水の浄化に役立つことは特記しても良い事象であろう。特に菌体凝集効果は高いような気がしている。この性質を利用すると「ゆる実験探求」ではあるが、1年以上も家庭内の排水周りに消毒剤などを使用しなくても生活に困らないという経験/実験をしている(シンク・トイレ・浴槽を1年以上も洗剤や消毒剤で洗っていないって本当は恥ずかしいので言いたくなかったけど変色はないし、キュキュトしてるよ:恥を忍んで/恥の上塗りを覚悟で仕方なく書きました:同情してね!)。

その昔、豊葦原の国には高師小僧がたくさんいて国の礎になったのかもしれないと聞くが、今は我々が科学に裏打ちされた・・小僧になる必要もあるのかもしれない。そのためには優れた「命題・原理・実証」といわゆるメンターが必要である。

なお、日本の資産の側面には森林面積と河川水系の驚異的な比率/多さがある。その重要性は再考に値すると思う。もちろん、海岸線の長さは言うまでにないことであろう。ちなみに 水田面積は240万ヘクタールくらいらしいが多いのか少ないのか? 

話が広がりすぎた。その軌道修正にはやはり卓上のカップのミジンコを眺め、または、近くの小川や水辺に立ち戻ることが近道であるが、。

以上で終わりにしたいと思いながらであるが、自然保護ではなく自然保全/環境保全の観点も重要である(保護と保全は違う)。それには多くの人の知恵が必要であり、まるで百学連環。つまり、例えば、森川海連環にはミジンコ学習インテリアに親しむ就学者の学びと前向きな姿勢に期待を寄せるしか方策はないかな〜と思いながら「おわり」である。また、陸水学関係者の活躍とその前向きな研究姿勢に期待を寄せたい(お願いします)。

<補 足>
海面海水に「釣った魚の頭や内臓を捨てる」ことも日本では不法投棄になるかも。ましてや鉄クズなどは有害物質を含む場合もあるため同様である。ということで、ことほど左様に万事が難しいが、個人個人の自覚こそが大切である。そのために機能する学習の場はさらに重要であり、そのことが研究者の視点に明るい扉を提供すると思っている。

なお、生き物は有機鉄を利用するが無機鉄自体に害はないが利用できない。

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<ミジンコ探求コンテスト:その要項>

これは本編の副産物として記述する。つまり、下枠のメッセージは「自然誌ミジンコ探求」に基づく「コンテスト要項」である(のつもり)。

これまでは自然誌探求の観点からトピックスとして記述したが、このセッションは生物教育に対する本気?の挑戦状のつもり。

つまり、生物教育/学習の場はSTEM・SDGs・遠隔授業・AI学習に加えメタバース学習などの標語/旗頭が振り荒れている。その中で戸惑っている生物教師も少なくはない。それらはそれなりに望むところであるが、しかし、生物学習/教育には実物の臨場感に基づく「実体と概念の連立連携 & 共存共学」が必要である。 つまり、STEM教育「ロボコン」のように「命題・原理・実証」を念頭とした大々的な生物系コンテストも必要「あると良いのにな〜!」と常々思っていた。それでその事例として記述したのが下記である/提案したいと思っている。
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<ミジンコ飼育コンテスト:その要件>

〔課題〕環境毒性試験などに用いられ肉眼視が容易なオオミジンコの 1) 長期飼育/最低一ヶ月を 2) 室内15L以下の水槽で実施する。その条件は、常時観察に向け 3) ほぼ透明水質を維持し、4) 自家調製飼料とその給餌に基づき、5) 完全閉鎖循環系による 6) 高密度培養システムの開発である:そのプロトコールの作成を課題とする。

〔補足〕1) 器具機材/材料試料/エネルギー源に制限はないが必要最低限としその経費/低コスト化は評価対象。2) 飼育中は給餌を除き器具材料の入れ替えはできない。3) 飼育水/用水も含め閉鎖循環式なので廃棄物は一切生じない。4) 飼育密度は任意ながらその評価は一ヶ月後の増殖率と最高密度とする。5) 安全衛生的も重要な要件である。

なお、水の妖精「ミジンコ」飼育は生物環境学習のキーブロック教材である。

上記の「課題と補足:箇条書き」で構成した約350文字による文章が実験探求の要件/条件である。その詳細は自由に考えて欲しい(確認したい人はメールでお願い)。

対象としては、この要件を分かりやすく通訳/説明すれば小学生でも対応できるはずと思っている(たくさん助言しも良い対象であろう)。中高校生が取り組めば、担当教師がメンター的なら、優れた資質の学習者が顕在化するはず。ちなみに、水生物に関わる大学生技術者あるいは研究者でも真面目に対応できる内容と考えている(どうでしょうか?:そんなの簡単!と思う方はもう一度真剣に考えて欲しい:コスパで1t水槽ミジンコ長期高密度飼育って可能かな?)。

つまり、いつでもどこでもだれでもチャレンジできる本格的なSTEM教育/探求学習であるが、自然の水生物環境や生態を調べる必要性もあるので、繰り返して言えば「自然誌探求」そのものでもある。

ここでは上記「要件」それぞれのポイントは記述しない。しかし、いつの日か本気でスポンサー付きの全国大会などに繋がってほしいと思っている。ビデオ映像を組み入れた遠隔発表コンテストならコスパで開催も可能ではないだろうか。ところで「賞品は何?」が気になるがそれはそれであるので主催者は「誰がいいの?」って思っている。

 (上図の詳細は「JSKメンバーサイト」を参照)

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余談をしてしまったが、ともかく探求その経験値に基づき、水生物環境保全や本邦の科学教育のポイントなどの再考に繋がって欲しいと思っている。つまり、母語日本語による取り組みであるが、その発展性や効果は多分今後深刻化するGXやBXへの取り組みとして地球規模の生物環境保全への一助になると夢見ている。それで本編は「マーティンの鉄理論に基づくミジンコ探求」である(あるいは、北大:海洋鉄の地球生物学的研究)。

なお、実験研究には実験記録が必要であるが、その構成や書き方については「ココをタップで参照」とする。また、コンテストの評価にはこの実演生物学私設の学習評価法『ルービックキューブ法:命題 原理 実証 vs 見方 考え方 進め方 の6面相対評価/自主評価』で試してほしいと思っています。

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表題:自然に優しく最も低コスト
    による水生物環境改善について

<1. はじめに>

草花樹木その落ち葉やそれらの腐葉土に由来するフルボ酸鉄など、いわゆるポリフェノール酸やそのキレート鉄は生物界の基礎栄養素として極めて重要である。一般にはフミン酸/フルボ酸配合の園芸肥料や沿岸域の海洋生物を育むキャッチフレーズ「森は海の恋人」などにより、今やそれらの重要性は多くが認めるところである。

しかし、この半世紀に渡る社会インフラは、平野部に位置するほとんどの河川をコンクリート護岸とし、町中の排水溝や道路側溝に加え、人知れない小川や農業用水系をもコンクリート3面張に変容させた。つまり、生活排水を受ける塩ビ管に始まり、その後のコンクリート排水溝は現代以前にはなかった人工物である。

それらの経緯から、街中の小水系その沿岸域の水-固相面/界面は、自然界では劣勢な腐敗に繋がる細菌相に適した生育環境を提供し、それらの水系では透明な水質でも甚だしい生物貧相や激減の状況を生み出している。それらの事実は、地中の栄養塩などを豊かに含む湧水が流入する小川や河川の生物相の豊かさと明らかに相反する。

つまり、上下水道を含む水系インフラやその構造物の必要性は自明/不可欠であるが、街中の小型河川や用水路が示す貧生物状態、また、その陸水が注ぐ海水域におけるいわゆる海の砂漠化や磯焼けと言った状況を無視することはできないと考えている。その対応策を考察することも意味あると考えている。

本稿は我々の身近に散見される水系に関わる改善策の探求であるが、その趣旨は「自然に優しく最も低コストによる水生物環境改善」である。

なお、この作文は、富士山を遠望し海水透明度が高い相模湾に面する逗子/葉山/三浦に位置する小川や用水、砂浜や漁港護岸、岩場・磯場をイメージしながらの状況である。その地で育ちその地の河川やその生物相に加え、その地の海況を詳しく知る住人が教えてくれた水系情報に基づく私論/提言である。

補足1:磯焼けは世界的にも散見される現状らしいが、本邦のそれは年々その度合いが深刻化している。その理由としては、1) 藻類初期発生を抑制する水温上昇説2) 無節サンゴモ類による海藻着生阻害説3) ウニやアイゴなどによる食害説4) 鉄イオン不足説5) 高海水温域の貧栄養説6) 台風など大時化が海藻群落を流出する時化説、などがあるらしい。

なお、本邦の陸水河川水系の特徴は、上記に加え、河川密度(国土水系比率)が挙げられるが、河川水の流速は大陸系のそれに比較し甚だしく早いことでもある。それらの実情も水系貧相の一因ではないかと私的には考えている。また、この地の海沿い山谷に位置した自然の小川は国道整備などに並行してその大半がコンクリート小水路となり道路側溝に集められ、それぞれが海岸へ流入する状況は消滅している。


<2. 改善策試論>

【論 拠】鉄/Feイオンは生物界の1次生産を担うプランクトンなどに不可欠な栄養素/必須微量元素であり、本論は「マーティンの鉄理論」や北大研究者らによる「海洋鉄の生物地球化学的研究」などを背景とする試論である。日本的には自然の恵としてこの国の礎ともなった葦原などに生じた「高師小僧(褐鉄鉱の塊)」なども背景の一部としたいと考えている(日本は鉄分に恵まれた国土なのかな?)。また、上記した住民情報が示す地域社会における水生物環境の変容もまたその論拠である。

【前 提】本論「探求」の前提は、「1.はじめに」に述べたように、1)本邦の水系は今や有機酸鉄(フルボ酸鉄)などの主な供給源を失った水系へと変容したこと、2)塩ビ管やコンクリートなどの人工構造物が腐敗性菌相にその足場を提供したこと、3)それらの経緯から町中水系やその沿岸海域の海辺や磯場に貧生物状態をもたらしたこと。

なお、相模湾に面する海辺を散策して思うことであるが、海水透明度が高い場所には普通種と考えられていたカニやフナムシやゴカイなどが激減し、陸水系ではミジンコの生息地を見つけることが難しくなっているという事実も探求の側面として重要であると考えている。

【改善策へのポイント】 本探求のポイントは、水系への持続的な鉄イオンの供給である。その必須栄養素/微量元素の生物連鎖に基づく水生物環境保全である。従って普通に考えれば、その方策は至極簡単、例えば、1)鉄クズや鉄分水溶液の投入や散布注入で可能」と言いたいが、それらは有機酸鉄とは異なり生き物の栄養素にはなり難く、それ以上に、2)生物に対する毒性や公害に繋がる可能性があるため不採用である。3)無害とされるいわゆる「鉄炭素タブレット」などは有効と考えられるが、使用量が多い場合には高額投資となり課題となる。また、4)それら比重が重い固体は水底に埋没するため持続性や効率を期待することは難しい。それなら、5)鉄/腐葉土の混濁液を持続的に水域に注入する」という方法も有力と考えるが、その設置や長期管理は予想以上に難しく、また、水道局や水処理場が許可するか否かは疑問である。なお、水溶液注入の問題点は希釈拡散が予想されるため、陸水海水を問わず持続的効果は望めないという予想になる。なお、6)海岸域の貧栄養状態に対しては海への施肥/コンポストの設置が有効と考えるが、河川海洋への遺物投棄は違法に相当するため除外である(釣った魚の内臓などでも水域に捨てると叱られるよ!って話です)。

重複するが、本研究のポイント/要件は「自然に優しく最も低コスト」という縛りに基づく探求であり、生物毒性を示さない物質や方策による水環境改善策であることが最優先の要件である。従って、これまでにない検討と開発が必要と考える。


3. 最終ターゲットコンテスト課題&要件

本研究の最終目標は、標記のように「自然に優しく最も低コスト」に基づき、有機酸鉄を主材料とし、任意の水域における劇的な水質改善である。

その具体的な指標/評価は、その水域における水棲生物の「A. 生物相の多様化」あるいは「B. 生物生育密度の向上」に繋がる方策の開発である。

従って、1)任意に具体的なターゲットを想定し、2)その方策を具体的なプロトコールとしながら、3)その実証である。ただし、4)目標達成のみが課題ではない。それ以上に重要なことは、5)新たな発想と検討考察、つまり、探求であり、その記録様式にも価値を置きたいと考えている。なお、本件においてはいわゆる「仮説を立てて実証する」ではなく「実験構想や計画記録に基づき実証する」という観点を忘れないでほしい(仮説は立てるものでなく使うもの、実証に基づき最終的に提案するものという考え方も重要である)。


その観点/事例/ターゲット
次は参考として「考察の起点となる事例」を列記する。
例えば、1)半閉鎖系の小川、池、ビオトープなどの水質改善に基づくタニシ、ミジンコ、メダカなどの培養法もその対象である。2)趣味的な観点から言えば、昔はサカナ釣りなど盛んだった小河川や汽水域の底質改善により小魚やハゼ釣りなどの復活に繋がるような探求は絶賛したい:近隣在住の方に意味深い恩恵を与えるような気がする。また、最近特に注目されている 3)水資源対策としての魚類の循環型高密度養殖や水処理場を支えるような濾過浄化装置の一部として機能させることも水質改善モデルとして高評価の対象であろう(観賞魚飼育や水族館関係の装置も対象かな)。あるいは、もちろん、4)磯焼け藻場の環境改善つまり藻場造成に繋がる方策の開発に成功すれば日本の未来は明るくなるはず(表彰状ものだね!)。加えて、5)カニやフナムシが少なくなった海岸や磯場の改善策には多くの方が驚きと賞賛を与えるはず。同様に、6)水田水域のミジンコ密度の増加米作に関わる低コスト化に繋がるような方策も対象としたいがどうでしょうか。

ということで、なんとなく無節操・なんでも良いであるが、ともかく任意の水域を念頭に、その自然が低コストで豊かになる方策を探求してほしい。つまり「自然誌探求:足元の水生物環境を救え!」というお願いである。


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最後に、皆さんの活躍が日本の礎になることを確信しながら本編「ミジンコ探求」は終わりです.

なお、JSKメンバーサイトに「有機酸鉄と水生物環境保全」として上記に関わる事項(方法や効果)などの詳細を記述しましたのでメンバーの方はご参照ください

以上で本編「ミジンコ探求」は完了です

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ミジンコ探求:命題一覧

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