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実演生物学:実験講義の実践展開
<単位「細胞」を基軸とした動物体の成り立ちCh.9 演習-1

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・・・本章の講義解説に用いた一連のスライドは、ここクリックし参照・・・


本章の構成(目次)
 Ch.9 演習-1:マクロ組織の話し合い・・(約120分)
  □ 1(協議16Q.16. 疑問を大切にする
  □ 2(解説 8) 実体を見る考える:マクロ組織に対する視点7項目
  □ 3(作図 C) 体の隙間はどこにある:上皮/中皮/内皮と胚葉性
  □ 4(解説 9) 主要器官のシート構造
  □ 5(検証 1) 疑問に答える:考える

Ch.9 演習-1:マクロ組織の話し合い

本章「演習-1:マクロ組織の話し合い」では、姿/形も明瞭な魚類の全載組織標本の印刷画像(図9.1)を材料に、本実験学習の視点とした「細胞レベルに基づく生体の成り立ち」を実際に演習課題として確認する。つまり、動物組織学の導入編であるが、実体対象に対する話し合い/協議を通じて「体の見方」を研鑽する。
*マクロ組織標本
  :パラフィン切片(4μm薄切) ヘマトキシリン-エオシン2重染色 組織標本

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<9-1(協議16)Q.16. 疑問を大切にする>

マクロ組織の話し合い(図9.1
1. マクロ組織の画像(図9.1) を見て、疑問や質問したい事を自由に5項目程度(以上)、簡潔に記述しなさい。
2. その後、自身の判断で、その重要度から「◎、○、△、X」 のマークで記しなさい(主観的でも良い)。
3. ◎を2項目、メモ用紙(Post-it)に書き写す。
4. それらを、グループで協議し、全体の中から5項目程度、特筆すべき記述を別紙に書き写し、発表します。
5. グループ内での観察協議を通じて、その解答を探し出そう。

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<Fig9.1:ニジマス稚魚のマクロ組織HE染色像:>

マクロ組織画像に対する各自の疑問や質問:5項目
 1)__________________________◎、○、△、×
 2)__________________________◎、○、△、×
 3)__________________________◎、○、△、×
 4)__________________________◎、○、△、×
 5)__________________________◎、○、△、×

マクロ組織画像に対する主要な疑問や質問:協議結果5項目
 1)__________________________◎、○、△、×
 2)__________________________◎、○、△、×
 3)__________________________◎、○、△、×
 4)__________________________◎、○、△、×
 5)__________________________◎、○、△、×

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<9-2(解説 8) 実体を見る考える:マクロ組織に対する視点7項目>

体を考えるための基本情報
:図9.1のマクロ組織像を読み解く(考える)ためには、下記「7項目」に対する理解が必要である。それらについて、下記項目から概説する。

 □ 1. 体の領域区分と体軸/体断面(図9.2, 9.3, 9.6) 

 □ 2. 2系6要素-11器官系区分(図9.4)
     ・・・・・・「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか」

 □ 3. 主要な器官/臓器とその順列(図9.4, 9.5) 

 □ 4. HE染色の原理と特徴(図9.7, 9.1)
     ・・・・・・「体の薄切り2色で染めるとどうなるか」

 □ 5. 細胞の定義:基本的性質(図9.8, 9.9)
     ・・・・「足場依存性と細胞シートの形成」 

 □ 6. 細胞シートの3様態(図9.10, 9.11)
     ・・・・:「体の隙間はどこにある:上皮・中皮・内皮」

 □ 7. ウラ世界の話:非上皮組織の見方(図9.19) 

 * 部位/形状/名称/繋がり/区分/役割/仕組み/由来/その他

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1. 体の領域区分と体軸/体断面(図9.2, 9.3, 9.6)

Q:図9.1はどのような断面で切断した像なのか。何が解ると頷けるのか。図9.6にその断面を記入してみよう。

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(画像をクリック: 左 Fig9.1   中 Fig9.2   右 Fig9.3 )
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□ 2. 2系6要素-11器官系区分(図9.4)
     ・・・・・・「ネコの前にサカナを置いたらどうなるか」
□ 3. 主要な器官/臓器とその順列(図9.4, 9.5)

体の中身の配置はサカナもヒトも同じと考えることができる。但し、何が同じでどう違うも重要。  

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  (画像をクリック: 左 Fig9.4   中 Fig9.5   右 Fig9.6 )
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4. HE染色の原理と特徴(図9.7, 9.1)
     ・・・・・・「体の薄切り2色で染めるとどうなるか

体の薄切り、未染色ではほぼ透明だが、染色すると色分けになる。どうしてだ?という視点は至って重要。

ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色の原理と特徴
  1. ヘマトキシリン:酸性物質(核酸のリン酸基など)に結合し、その部分を青っぽく(青紫に)染める。
  2. エオシン:塩基性物質(蛋白質のアミノ基など)に結合し、その部分を「赤っぽく」染まる。
  3. 核:核酸などの酸性物質(リン酸基など)が多い「核」はヘマトキシリンで青っぽく(青紫に)染まる。
  4. 細胞質:塩基性物質(アミノ基など)がいっぱいの細胞質はエオシンで「赤っぽく」染まる。
  5. 細胞が密集したところ:結果的に「核」が密集するので(肝臓、膵臓、胸腺など)青紫にみえる。
  6. 細胞層の下:繊維状の結合組織(コラーゲン繊維が主成分)がある。アミノ基がいっぱいのタンパク質のためコラーゲン繊維の層は「」に染まる。 
  7. 筋肉:筋肉の細胞は「筋繊維」と呼ばれ、アクチン/ミオシンの塊で、細胞質ばかりの筋肉は「赤っぽい」。
  8. :カルシウムを除いた後に切片とした骨は、コラーゲン繊維が骨の形のままに残り、「赤く」染まる。
     ・骨の補足:動物の骨は軟骨の後に成長にあわせて硬骨化する(例外もある)。稚魚の頭蓋はその典型で、軟骨の状態であり「薄青色」に見える。
  9. 軟骨:軟骨の基の「コンドロイチン硫酸」が主成分なので、硫酸基のため「薄青色」に染まる。
  10. 黒色色素のメラニンは黒褐色に見える。
 ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色の原理と特徴

ヘマトキシリン:青色液

エオシン:赤色液

物性
好酸性(塩基性色素)であり、酸性基に反応/結合 好塩基素酸性色素)であり、塩基性基に反応/結合。
結合
陰性荷電部に結合する。
 :リン酸基、カルボキシル基、硫酸基など
陽性荷電部に結合する。
 :タンパク質のアミノ基など
青っぽく染まる。 赤っぽく染まる。
細胞
核:核酸/リン酸基などのため 細胞質:タンパク質アミノ基などのため
組織
細胞の割合が多いところ、軟骨 コラーゲン繊維が多い部分:筋肉/硬骨も


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(画像をクリック: 左 Fig9.7  中 Fig9.8  右 Fig9.9 )
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□ 5. 細胞の定義:基本的性質(図9.8, 9.9)
     ・・・・「足場依存性と細胞シートの形成」 

細胞シート(上皮組織)の性質
  :シートからの身体づくり(1991) 本多久夫 , 中公新書1035

性質:細胞が集まってできたシートである:足場依存性と細胞シートの形成。
性質:シートは連続である。  
性質:シートには裏・表の区別がある。
性質:シートが対面するときには裏同士または表同士、
     互いに同じ側同士が向かい合う。
性質:裏同士または表同士が対面したシートは、
     融合してシートのつなぎ換えが起こることがある。


9-3(作図 C) 体の隙間はどこにある:上皮/中皮/内皮と胚葉性>

□ 6. 細胞シートの3様態(図9.10, 9.11)
     ・・・・:「体の隙間はどこにある:上皮・中皮・内皮」
図9.10や図9.11は、体の隙間、つまり、体腔を視点にしている。「何もないから何かがある」は重要。作図実習として展開してみるときっと解るはず。つまり、体の隙間を作る壁とは細胞シートであり、上皮組織を意味する。

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(画像をクリック: 左 Fig9.10   中 Fig9.11   右 Fig9.12 )
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9-4(解説 9) 主要器官のシート構造(図9.13--)>
本編では、細胞の性質として足場依存性と細胞シートの形成を取り上げ、動物体の成り立ちを概説しているが、以下の概念図/模式図は、その実例である。肝臓のような巨大な細胞の塊も、それらの性質から視点をあわせれば、多くのことが見えてくる。同時に、発展的な疑問へと繋がる。発生学にも自ずと深入りすることになる。

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(画像をクリック: 左 Fig9.13   中 Fig9.14   右 Fig9.15 )
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(画像をクリック: 左 Fig9.16  中 Fig9.17  右 Fig9.18 )
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7. ウラ世界の話:非上皮組織の見方(図9.19)

細胞シートの裏側はウラ世界であり、中胚葉起源をとする結合組織系の細胞や組織や物質に満ちている。「ウラを知らなきゃオモテの真実はみえてこない」

なお、図9.20以降は内分泌系や神経系の話であるが、それらも細胞の基本的な性質や様態を理解すると自然に納得できる世界となる。

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(画像をクリック: 左 Fi9.19   中 Fig9.20   右 Fig9.21 )
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(画像をクリック: 左 Fig9.22   中 Fig9.23   右 Fig9.24 )
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(画像をクリック: 左 Fig9.25   中 Fig9.26  右 Fig27 )
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9-5(検証 1) 疑問に答える:考える>

本節では、実際にマクロ組織の顕微鏡観察像を大型ディスプレーやスクリーンに投影し、提出された課題(マクロ組織に対する疑問)を主題に、その見方/考え方/進め方を解説する。協議する。その枠組みは上記の「視点7項目」である。


<以上、「Ch.9」は完了:先頭行へ移動 目次シートへ移動

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<記入例911>
 

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(画像をクリック: 左 Fig9.28   中 Fig9.29   右 Fig9.30 )
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(画像をクリック: 左 Fig31   中 Fig32   右 Fig33 )
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(画像をクリック: 左 Fig34   中 Fig35   右 Fig36 )

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(画像をクリック: 左 Fig37   中 Fig38   右 Fig39 ) 
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(画像をクリック: 左 Fig40   中 Fig41   右 Fig42 ) 
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(画像をクリック: 左 Fig43   中 Fig44   右 Fig45 ) 
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(画像をクリック: 左 Fig46   中 Fig47   右 Fig48) 
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(画像をクリック: 左 Fig49  右 Fig50) 
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(画像をクリック: 左 Fig0   中 Fig00   右 Fig000) 
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