本章の構成(目次)
Ch.8
発展-2:
生体構造(細胞-組織-器官)の概念化はなぜ必要?・・・(約90分)
□ 1(解説 6) 細胞構造
:1)膜系シート構造と共生進化、2)細胞骨格と接着結合
□ 2(作図 A) 細胞構造:細胞装置と細胞くん
□ 3(解説 7) 形態の原型(ヘッケルとローマー):咽頭胚とボトルネック
□ 4(作図 B) 体の管状構造:体の中の「部位/形状/名称/繋がり・・・」
□ 5(協議14)Q14. 器官系11区分と2系6要素+α
□ 6(協議15)Q15. 細胞は何をしている?(細胞生理学、細胞生物学)
□ 7(要約 5) 生物学の論理性とABC
<Ch.8 発展-2:
生体構造(細胞-組織-器官)の概念化>
本章「発展-2:
生体構造の概念化」では、これまで扱ってきた「細胞・組織・器官」について、その「見方/考え方/進め方」について、改めて話し合いを行なう。つまり、生物特有の模式図(細胞構造や体内構造)とは、どのような概念化から成り立っているかを解説/協議する。その目的は、経験科学として概念化された古典的な学理体系の重要性を再考するためである。結果的に、本編の主題「細胞」の見方/考え方/進め方、例えば「細胞の分子生物学」とは、誰もが納得できる従来の枠組みに位置付けされるものであり、生命科学に特有の専門性は、現在においてもそのクラシックな共有命題を必要とすることを再確認するためである。生物学にも他学と同様に最低必須要素があることを思い浮かべるためである。
<先頭行へ移動>
<8-1(解説 6) 細胞構造
:1)膜系シート構造と共生進化、2)細胞骨格と接着結合>
(画像をクリック: 左 Fig8.1 中 Fig8.2 右 Fig8.3 )
<先頭行へ移動>
<8-2(作図 A) 細胞構造:細胞装置と細胞くん>
(画像をクリック: 左 Fig8.4 中 Fig8.5 右 Fig8.6 )
<先頭行へ移動>
1) 膜系構造物:細胞膜、核膜、小器官膜など
2)
核内構造物:染色質、核小体、クロマチン
3) 細胞接着装置:緻密結合、接着斑/デスモゾーム、
4) 細胞骨格 :アクチン繊維、微小管、中間径繊維、
5) ATP合成装置:ミトコンドリア、
6) 蛋白合成装置:粗面小胞体
7) 脂質合成装置::滑面小胞体、
8)
修飾包装装置:ゴルジ装置
9) 分解排出装置:ライソゾーム、
10)
分裂装置 :中心小体、紡錘糸、収縮環/アクチン
先頭行へ移動
<8-3(解説 7) 形態の原型(ヘッケルとローマー):咽頭胚とボトルネック>
(画像をクリック: 左 Fig8.7 中 Fig8.8 右 Fig8.9 )
<先頭行へ移動>
<8-4(作図
B) 体の管状構造:体の中の「部位/形状/名称/繋がり・・・」>
下図を描いてみる。
<Fig.8-10:体内構造の描き方(管状構造に基づく生体の理解)>
生物と言えば、
形・役割・仕組み・由来・その他
「部位/形状/名称/繋がり/区分(構成)/役割/仕組み/由来/その他」
先頭行へ移動
<8-5(協議14)Q14.器官系11区分と2系6要素+α>
1)体の体制を支える器官系:11区分とその順列
体の体制を支える器官系は11区分される。これらを一義的な配列として考えるのは少し無理もあるが、取りあえず試しとして、考えてみよう。つまり、できるだけ合理的な順列として列記してみよう。
<器官系の名称:順不同>
A.泌尿器系、B.循環系、C.外皮系、D.筋肉系、E.呼吸器系、F.消化器系、
G.感覚器系、H.骨格系、I.神経系、J.生殖器系、K.内分泌器系、
(排出系とは「A.泌尿系+J.生殖系」のこと)
質問:AからKを合理的な繋がり(順列や配列)として以下の下線に記してください。(下線部に適当なアルファベットを記入する、幾つかのパターンも考えよう。区切りなどを入れるのも良い)。
パターンA.
1._____→2._____→3._____→4._____→5._____
→6._____→7._____→8._____→9._____→10.____
→11._____
パターンB.
1._____→2._____→3._____→4._____→5._____
→6._____→7._____→8._____→9._____→10.____
→11._____
<記入例を参照する>
先頭行へ移動
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2) ネコの前にサカナを置いたらどうなるか
表:
2系6要素-器官系11区分
(1)
系 |
体性系/体壁性器官(動物性器官) |
→<____>→ |
→<____>→ |
→<____>→ |
(7)___系 |
(8)___系 |
(9)___系 |
(10)___系 |
←<______>→
(11)______系 |
(2)___系 |
(3)___系 |
(4)____系 |
(5)___系 |
(6)___系 |
→<____>→ |
→<____>→ |
→<____>→ |
臓性系/内臓性器官(植物性器官) |
<記入例を参照する>
先頭行へ移動
<8-6(協議15)Q15.細胞は何をしている?(細胞生理学、細胞生物学)>
1)細胞は何をしている?
細胞は体の「基本単位」である。では「細胞そのものは何をしている」か。
思いつくまま個条書きで述べよ(平素な言葉で表現してかまわない、ユニークなこともOK)
1)______________ 2)_______________
3)______________ 4)_______________
5)______________ 6)_______________
7)______________ 8)_______________
9)______________ 10)_______________
*下記を簡潔に説明してください。(但し、狭義の解説とすること)
A. 遺伝子発現(DNA→RNA→蛋白質):セントラルドグマとは何か?
:______________________________
B. 蛋白合成を担当する細胞内小器官は何?
:______________________________
先頭行へ移動
2)細胞生理の仕分け方(記入したことを分類する)
上記1)で記入した「細胞の働きや様態」の番号を、下記の表「B欄」にを代入してみよう。
<表:細胞は何をしているか(細胞の働きと機能)>
# |
A.仕分けの基準:キーワード、と(平素な表現) |
B.仕分け欄 |
C.区分 |
1 |
細胞膜、脂質2重層、流動モザイク、多機能性
(______________________) |
|
|
2 |
低分子の膜輸送:能動/受動/共同/浸透, チャンネル (______________________) |
|
|
3 |
解糖/TCA/電子伝達系・ATP合成:内呼吸
(______________________) |
|
|
4 |
物質代謝系(糖/アミノ酸/脂質/核酸)
(______________________) |
|
|
5 |
修飾/分泌/分解、小胞体輸送
(______________________) |
|
|
6 |
遺伝子DNA複製、分裂増殖、細胞周期
(______________________) |
|
|
7 |
受容体(レセプター)
(______________________) |
|
|
8 |
リン酸化酵素、 2ndメッセンジャー、
(______________________) |
|
|
9 |
細胞接着、インテグリン、細胞運動
(______________________) |
|
|
10 |
細胞骨格(アクチン線維/微小管/中間径線維)
(______________________) |
|
|
11 |
遺伝子発現(DNA→RAN→蛋白)、
(______________________) |
|
|
<記入例を参照する>
先頭行へ移動
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3)これは「細胞の分子生物学」の目次
下記は、生命科学系の世界的な座右の書(教科書)の目次である。 印象的な項目はどこだろう。2部の表題「遺伝の基本」とはどういう意味だろう。
細胞の分子生物学の目次(5部、全25章、1595頁)
Molecular Biology of the Cell, 4th edition
第1部 細胞とは(129頁):Introduction to the Cell
1.細胞とゲノム、2.細胞の化学と生合成、3.タンパク質
第2部 遺伝の基本(246頁):Basic Genetic Mechanisms
4.DNAと染色体、5.DNAの複製, 修復, 組み替え、
6.ゲノム情報の読み取り(DNAからタンパク質)、 7.遺伝子発現の調節
第2部 研究手法(81頁):Methods
8.タンパク質、DNA、RNAの操作、9.細胞の観察
第3部 細胞の内部構造(480頁):Internal Organization
of the Cell
10.膜の構造、11.小分子の膜輸送と膜の電気的性質、
12.細胞内区画とタンパク質の選別、13.細胞内における小胞の輸送、
14.エネルギー変換:ミトコンドリアと葉緑体、15.細胞の情報伝達、
16.細胞骨格, 17.細胞周期とプログラム死, 18.細胞分裂の仕組み
第4部 細胞のつくる社会(360頁):Cells in Their
Social Context
19.細胞結合, 細胞接着, 細胞外マトリックス、20.生殖細胞と受精、
21.多細胞生物における発生、22.組織の形成:組織を作る細胞の生と死,
23.がん、24.適応免疫、25.病原体, 感染, 自然免疫
関連用語
1. 遺伝(現象)
heredity ヒレディティ、
(遺伝の法則 The law of inheritance インヘリテンス)
genetic ジェネティク (語源:genet 発生 に由来する)
( 一般的 : inheritance > heredity > genetic : より専門的)
2. 遺伝学(学問領域) Genetics ジェネティックス
3. 遺伝子(概念/実体)gene ジィーン
4. ゲノム(概念/実体)genome ジィーノム(全遺伝子)
5. 染色体 (実体:DNAと核タンパク質ヒストンの集合
体
)
chromosome
クロモソーム
6. DNA(実体:化学成分)
deoxy-ribo-nucleic acid ディオキシリボ
ニュクレイック アシドゥ
7. 核酸(実体:化学成分)
nucleic acidニュクレイック アシドゥ
Q.DNAは2重らせんである:正か否か?
先頭行へ移動
<8-7(要約
5) 生物学の論理性とABC>
生物学とは「物言わぬ生物進化(地球進化)の成果物に代わりに、その成り立ちを代弁(翻訳/通訳)すること」。
よって、重要な事項はできるだけ「論理的な枠組み」に支持されていると都合が良い。
*階層性と実体
:個体・器官系・器官・組織・細胞・細胞小器官・生体分子に対する視点は重要。
4大組織 (4 Basic Tissue) :体は4種類の組織でできている。
(1)上皮組織 Epithelial Tissue
(2)結合組織 Connective Tissue(支持組織 Supporting
Tissue)
(3)筋組織 Muscular Tissue
(4)神経組織 Nerve Tissue
*専門書の索引で支持組織の英訳を探してみよう。なぜか大変苦労する。
(なぜだ:誰か説明して)
結合組織/支持組織について(標準組織学(藤田 著) 第4版 p139の脚注。)
Stutzgewebe(ドイツ語 支持組織)に相当する英語 supporting tissueは一般に用いられない。強いて求めるなら広義の
connective tissueであるが、ドイツ人や日本人のように分類に興味をもたぬ英語国民は、こういう点に不便を感じないらしい。
先頭行へ移動
<以上、「Ch.8」は完了:先頭行へ移動 目次シートへ移動>
(実技図解集へは、ここをクリックして移動する)
<記入例851>
1)体の体制を支える器官系:11区分とその順列
A.泌尿器系、B.循環系、C.外皮系、D.筋肉系、E.呼吸器系、F.消化器系、
G.感覚器系、H.骨格系、I.神経系、J.生殖器系、K.内分泌器系、
(排出系とは「A.泌尿系+J.生殖系」のこと)
質問:AからKを合理的な繋がり(順列や配列)として以下の下線に記してください。(下線部に適当なアルファベットを記入する)
1._C.外皮系_→2._F.消化系_→3._E.呼吸系_→4._B.循環系_→5._A.泌尿系_
→6._J.生殖系_→7._G.感覚系_→8._I.神経系_→9._D.筋系_→10._H.骨格系_
→11._K.内分泌系_
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1._C.外皮系_→2._G.感覚系_→3._I.神経系_→4._D.筋系_→5._H.骨格系_
→6._F.消化系_→7._E.呼吸系_→8._B.循環系_→9._A.泌尿系_→10._J.生殖系_
→11._K.内分泌系_
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1._C.外皮系_
→2._G.感覚系_→3._I.神経系_→4._D.筋系_→5._H.骨格系_
→6._K.内分泌系_
→7._F.消化系_→8._E.呼吸系_→9._B.循環系_→10._A.泌尿系_→11._J.生殖系_
<戻る>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<記入例852>
(1)
外皮
系 |
体性系/体壁性器官(動物性器官) |
→<_受容_>→ |
→<_伝達_>→ |
→<_実施_>→ |
(7)感覚系 |
(8)神経系 |
(9)筋系 |
(10)骨格系 |
←<_内部調整_>→
(11)内分泌系 |
(2)消化系 |
(3)呼吸系 |
(4)循環系 |
(5)泌尿系 |
(6)生殖系 |
→<_吸収_>→ |
→<_運搬_>→ |
→<_排出_>→ |
臓性系/内臓性器官(植物性器官) |
<戻る>
<記入例871>
<表:細胞は何をしているか(細胞の働きと機能)>
# |
A.仕分けの基準:キーワード、と(平素な表現) |
B.仕分け欄 |
C.区分 |
1 |
細胞膜、脂質2重層、流動モザイク、多機能性
(姿/形を現している/作っている) |
|
|
2 |
低分子の膜輸送:能動/受動/共同/浸透, チャンネル
(物質を細胞内に取り入れている) |
|
|
3 |
解糖/TCA/電子伝達系・ATP合成:内呼吸
(エネルギーを作り出している) |
|
|
4 |
物質代謝系(糖/アミノ酸/脂質/核酸)
(細胞活動に必要な化学成分を運用している) |
|
|
5 |
修飾/分泌/分解、小胞体輸送
(合成されたタンパク質を輸送している) |
|
|
6 |
遺伝子DNA複製、分裂増殖、細胞周期
(自己複製している) |
|
|
7 |
受容体(レセプター)
(細胞の外からの情報を受けている) |
|
|
8 |
リン酸化酵素、 2ndメッセンジャー、
(情報を内部に伝えている) |
|
|
9 |
細胞接着、インテグリン、細胞運動
(足場を定めている) |
|
|
10 |
細胞骨格(アクチン線維/微小管/中間径線維)
(細胞運動や形を支持している) |
|
|
11 |
遺伝子発現(DNA→RAN→蛋白)、
(生命活動に不可欠な情報の具体化を図っている) |
|
|
<戻る>
(画像をクリック: 左 Fig10 中 Fig11 右 Fig12 )
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig13 中 Fig14 右 Fig15 )
<先頭行へ移動>
(画像をクリック: 左 Fig16 中 Fig17 右 Fig18 )
<先頭行へ移動>
(画像をクリック: 左 Fig19 中 Fig20 右 Fig21 )
<先頭行へ移動>
.
.
(画像をクリック: 左 Fig22 中 Fig23 右 Fig24 )
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig25 中 Fig26 右 Fig27 )
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig28 中 Fig29 右 Fig30 )
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig31 中 Fig32 右 Fig33 )
<先頭行へ移動>
(画像をクリック: 左 Fig34 中 Fig35 右 Fig36 )
.
(画像をクリック: 左 Fig37 中 Fig38 右 Fig39 )
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig40 中 Fig41 右 Fig42 )
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig43 中 Fig44 右 Fig45 )
<先頭行へ移動>
(画像をクリック: 左 Fig46 中 Fig47 右 Fig48)
<先頭行へ移動>
.
(画像をクリック: 左 Fig49 右 Fig50)
<先頭行へ移動>
(画像をクリック: 左 Fig0 中 Fig00 右 Fig000)
<先頭行へ移動>
.