実演生物学:Ch2. -6A,:パラフィン切片HE染色標本(ニジマス稚魚)の作製法
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 安全対策
 <固定脱灰の手順と操作法
 <補足・注意事項
  模式図とボタン番号の関係


<安全対策>
  ピクリン酸、ホルマリンや酢酸を含むブアン固定液を取り扱う時はゴーグルや使い捨て手袋などを用いて安全には充分配慮する。サカナの麻酔死が不完全だと突然暴れブアン液が飛び散る。目・顔につくと危険。魚を入れたらすぐシャーレの蓋をする。またホルマリン臭が強烈なので注意:安全メガネも使用する。


<固定脱灰の手順と操作法>

  1. 生きているニジマス稚魚(約4cmくらい, 0.4gくらい)を材料にする。固定する前日くらいから絶食させる。
  2. 1リッターくらいの飼育水にニジマス稚魚を取り、フェノキシエタノール(麻酔液)を数滴(または数ml)加え、苦悶させずに麻酔死(安楽死)させる。数分経過しても安静状態にならない時は麻酔薬を更に加える。麻酔薬はすぐに溶解しないので底面に沈下した試薬を撹拌しながら溶解し麻酔処理を行なう。
  3. 固定(ブアン液)と整形:麻酔死させたニジマスをシャーレ等に静置し、体が浸るまでブアン液を入れ、体が湾曲しないよう(背骨が真っ直ぐ)に注意し、1時間程度(短くても良い)の前固定を行なう。体表面を硬直させる。充分硬直したら、ブアン液の容器へ入れる。
    (麻酔死が不十分だとブアン液を加えた時にサカナが暴れるの注意:シャーレに固定液を入れたらすぐ蓋をする。学生が行うときにはゴーグル着用)。
  4. 前固定試料の整形:半日又は翌日にブアン液から試料を取り出し、発泡スチロール板に硬直した標本を静置し、不必要な部分、例えば尻鰭以下、をミクロトームの使用済み「替え刃」で切り落とす。整形する。その後、再度、固定脱灰を進行させる。体腔などを露出させることにより、固定脱灰の効果を高めるため。
  5. 整形した試料を体重のx20容量くらいのブアン液に入れ3日間程度の固定処理。時々撹拌することも忘れない。ブアン固定液では脱灰反応も平行して進む。
  6. 固定脱灰が終了したら、すぐ脱水パラフィン浸透処理へ進行しない場合には、水道水(流水)で30分〜数時間洗い、ブアン液を除いた後、70%エタノールで保存する。長期保存が可能である。

<注意事項>

<図表一覧と対応パネルボタン>

 


<目次と移動ボタンの対応>
<パラフィン切片HE染色標本の作製法>
 A. 組織標本作製技法の概要と安全対策
 B. 一覧表:組織標本作製工程
 C. 主な試薬と備品、その調製法
 D. 実技手順1(固定):前処理・固定/脱灰・整形(1st Stage)
 E. 実技手順2(包埋):脱水・パラフィン浸透・包埋(2nd Stage)
 F. 実技手順3(薄切):ミクロトーム操作、薄切・伸展/接着(3rd )
 G. 実技手順4(染色):染色、脱水、封入(4th Stage)
 H. 代用キシレン法
 I. 主な関連解説と参考書一覧


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D.実技手順1(固定):前処理・固定/脱灰・整形>
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