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本編はこのシート「テキスト形式」で参照。必要に応じて挿入図の拡大図の表示も「図一覧連続スライド」により可能。


<演習の目次>

演習1(Exp2). 培養温度とゼラチンの物性について考えてみましょう。

演習2.

協議1.階層性(構造レベル)と器官系区分について


演習1:培養温度とゼラチンの物性について考えてみましょう

<話 題>
お絵描き実験(Exp2)の手順(工程概要)に従い、下記の設定条件で実験を行いました。なお、この座学「演習」での1次培養の温度は30℃ですが、設定4(対照区)は22℃です。その結果、どの条件においても1次培養・1時間後には「細胞シート」が形成されましたが、2次培養を継続したところ結果に差異が生じました。

<工程概要>

1)ゼラチン(Gel)塗抹済みのシャーレを、 2)メチルセルロース(MC)で処理し、 3)遠心再浮遊した細胞をシャーレに添加し、 4)所定の温度で静置培養(1次培養と2次培養)を行った。

補足:1次培養ではカルシウム(Ca)を含まない無血清無蛋白培養液(B-Med)を用います。2次培養で用いる培養液(Ca-Med)はカルシウム(Ca)を十分量含むB-Medです。Gelは変性コラーゲン、MCは血清アルブミンの代替として使用しています。 *本実験の基本方法のイメージは下図です。

<設定条件と結果>

  • 設定1. 1次培養(30℃/1時間)により綺麗な細胞シートが出来たので、2次培養液(Ca-Med)に交換し「30℃で2次培養」を行った。1時間後に顕微鏡観察するとほとんどの細胞は剥がれ落ちていた
  • 設定2. 2次培養のためCa-Medに交換した後、培養温度を室温(22℃)に変え培養した。1時間後に観察すると細胞間にかなり隙間が生じていた。
  • 設定3. 1次培養30℃・1時間後のシャーレを室温(22℃)に移しそのまま1次培養を継続した。その1時間後に2次培養液(Ca-Med)に交換し更に1時間培養を行った。この条件でも細胞シートに少し隙間が生じた。
  • 設定4. 1次培養の対照区として22(室温)も設定した。この場合、1時間後には30℃と同様に綺麗な細胞シートであった。その後Ca-Medによる2次培養を1時間継続したが細胞シートはそのまま維持された。

<結果評価>

設定 1次培養
(温度/時間)
液替え時の
検鏡評価1
2次培養
(温度/時間)
固定前の状況
検鏡評価2
気付いたこと
(キーワード/メモ
1 30℃/1hr. +3 30℃/1hr. +1  
2 30℃/1hr. +3 22℃/1hr +2  
3 30℃/1hr.
+22℃/30min.
+4 22℃/1hr +3  
4 22℃/1hr. +3 22℃/1hr +3  

評価基準(Exp2:細胞の接着伸展の状態をシンボル化して表示すると、 
〔+4〕基質(底面)上の接着細胞はほとんどが十分に伸展した。その結果、隣接細胞の集合域は単層で隙間なく綺麗な配列を示した(基質全域で敷石を敷き詰めたような細胞シートが形成された)。 〔+3〕細胞は十分に伸展しているが、顕微鏡レベルでは隣接細胞間に少し隙間が観察される。 〔+2〕細胞の伸展状況は不十分であり、顕微鏡レベルで隣接細胞間にかなり隙間が観察される。 〔+1〕細胞の伸展状況は不十分であり、肉眼レベルで隙間が生じている。 〔+—〕細胞は球状のままであるが接着はしている。  細胞は基質に接着していない

補足1(ヒント):乾燥ゼラチンは吸水すると膨化し温度依存で軟化します。Caイオンは細胞接着を強化します(インテグリンと接着基質との結合を安定化します)。 補足2:隙間のない綺麗な細胞シート(+4)を形成させるに必要な1次培養の培養時間90分間以上です。

<演習1の考察/質問>

Q1. お絵描き実験を首尾よく完了させる(付帯条件:迅速・簡便・確実)、つまり、・実践学習の場で綺麗な細胞シートで「絵文字」を仕上げるためはどのようなことに注意すれば良いでしょうか。下記「選択肢」からその重要度を考慮し優先順位で回答してください(電子メールでお願いします)。
 選択肢
:a.ゼラチン塗抹、b.細胞の単離分散、c.1次培養の時間、d.培養温度、e.2次培養時間、

 回答:1番目_、2番目_、3番目_、4番目_、5番目_、他で重要な事項___

Q2. Q1に関連して(余裕があればお願いします)
1)「1.感想、2.意見、3.疑問、4提案」を区分対応でご回答をお願いします。
2)本演習を「受講者の課題」とする場合、どのような視点で扱うことが可能ですか。
3)模式図(側面構造図:要素の配置と繋がり)を描くことが理解への近道と思いますが、如何でしょうか。

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実験方法:Exp2「お絵描き実験」の工程概要

1.準備・前処理

Step1(ゼラチン塗抹). 湯煎溶解ゼラチン(Gel)を綿棒に付け、培養シャーレに「任意の絵文字」を描き(厚塗りしてはいけない)、完全に乾燥させる。

Step2MC処理). そのシャーレにメチルセルロース液(MC:血清アルブミンの代替)を滴下し、底面全域を濡らしたらその余液を捨てる。

2.細胞液の調製

Step3-1(細胞分散). フィルムバッグ細胞をスポイトで浮遊分散させる。

Step3-2(遠心再浮遊). 細胞液を遠心再浮遊し「細胞洗浄と細胞の単離分散化」を図る。

3.細胞培養

Step4-1(1次培養). 細胞液(Cell)をシャーレに加え、所定の温度で静置培養を開始する(90分以上、できるだけ長く設定すると良い結果となる。半日程度でも良い)。

Step4-2(状況確認). 75分?後、シャーレに回転・振動を与え、未接着の細胞を浮遊させ、その上澄み(細胞液)を紙コップ(新品)に回収する。同時にシャーレ底面の状態を目視確認する(任意の絵文字が出来ているはず:乾燥に注意)。目視確認後は細胞液をシャーレに戻して継続して培養(1次培養は最低90分間以上行う。半日程度行っても良い)。

Step4-3(2次培養).1次培養が終了したらStep4-2に従い底面を再度確認し、その細胞液を除いたい後、そのシャーレに2次培養液(Ca-Med)を滴下し、所定温度で培養を継続する(10分程度でも良い。または2次培養を実施しなくても良い)。

4.固定染色

Step5. 培養液を捨て固定処理(G-Fix)・染色処理(CV)を行う。

<<演習は以上で終わりです>>

演習1は終了先頭行へ移動演習1は終了


<はじめに>

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<1-3>

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<4-7>

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<7-9>

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<10-12>

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<13-15>

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<16-18>

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<19-21>

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<22-24>

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<25-27>

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<28-30>

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<31-33>

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<34-36>

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<37-39>

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<40-42>

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<43-45>

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<46-48>

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<49-51>

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<52-54>

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<55-57>

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<58-60>

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